看護師の人間関係を4分割で解決!~看護師長・主任・先輩看護師編
医療現場では、看護師だけでなく、医師や介護士、薬剤師、臨床検査技師などさまざまな職種の人が働いています。
ですが、看護師の人間関係に関する悩みのなかでも特に多いものは、看護師同士の関係性による悩みであり、その対象は(1)師長・主任・リーダーなどの管理職(2)先輩看護師(3)同期の看護師(4)後輩の看護師、の4つに分けられます。
(3)(4)は次回に譲り、今回の記事では、このうち(1)管理職(2)先輩看護師を対象とする看護師の人間関係における悩みと解決のヒントをご紹介します。
実際に、看護師はそれぞれの対象者との人間関係において、どのような悩みを持つことが多いのでしょうか?
看護師の人間関係における悩み1:師長・主任・リーダーなどの管理職に対して
(1)支配的な管理職に対し、ストレスが溜まる
「決定事項なのだから、きちんとやってちょうだい」「あなた、何年看護師やっているの?もっとちゃんとしてくれないとダメ」など、有無を言わさず要望を押し付けたり、自分の思い通りになることを強制されたりするとストレスが溜まりますよね。
こういう管理職の場合、相手をなかなか認めないことが多いので仕事に対するモチベーションが下がる…と思うこともあるかもしれません。
管理職との人間関係のヒント1:無駄な対立を避ける
支配欲が強い上司の場合、売り言葉に買い言葉で、つい言い返したくなることはありませんか?
しかし、それをしてしまうと、さらに看護師同士の人間関係はこじれ、事態が悪化する可能性があります。
相手の発言にイライラしている自分の時間がもったいないので、「また始まったよ…」くらいに受け止めて意に介さないのがスマートで賢い方法であるともいえます。
管理職との人間関係のヒント2:何でもかんでも「YES」を言わない
いくら上司の要望であるとはいえ、何でもかんでも受け入れてしまうことは、逆にストレスを増幅させます。
自分が今、どのような状況で、なぜ、その要求を受け入れられないのかを上司にしっかりと冷静に伝えることが大切です。
管理職との人間関係のヒント3:支配的にならざるを得ない理由を考える
当然のことながら、管理職の看護師すべてが、支配的なわけではありません。
あなたが「支配的である」と感じていても、管理職の立場からすると、「言うべきことはきちんと言わなければならない」という責任感からの発言であるにすぎないこともあるのです。
逆に言うと「あえて、憎まれ役を買って出ている」という可能性があることも、心に留めておきましょう。
(2)何もしてくれない管理職のことを信用できない
部下に要望は出すけれど、こちら側が改善して欲しいことを伝えても、曖昧な返答しかしてくれない。あるいは「できない」の一点張りの管理職…。
「いったい、何のための管理職なの?!」と苛立ちを感じることもありますよね。
とくに、業務改善についての提案をしているにも関わらず、言葉を濁す管理職に失望しているという方もいらっしゃるかもしれません。
自分の要望に対し、何もしてくれない管理職のことを信用できない気持ちになるのも無理はないことだと思います。
管理職との人間関係のヒント4:物の見方を変えてみる
出来事をどのように解釈するかによって、人生の質は変わります。
実は、管理職が何もしてくれないということが真の問題ではなく、「必要以上に他者に期待をし過ぎているのかもしれない」という視点で考えてみるとよいでしょう。
私も「こんなに懇願しているのに、何もしてくれない」と管理職に対して嘆いた経験がありますが、そのぶん、「自分で考え、解決する力」が鍛えられたと感じています。
何もしてくれない、あるいは使えない管理職は、必ずしもあなたを失望させる存在ではなく、「何もしてくれないなら、自分は何をすればいいのか」を常に問い正させてくれた存在であると思っています。
管理職との人間関係のヒント5:何もしてくれない理由を考える
管理職は、看護の業務に携わる仕事だけでなく、病院経営の視点からも物事を考えています。
自分の業務に手いっぱいで、スタッフのことを親身に考えたいと思いつつも、さまざまな問題を抱え、人間関係の調整を図る必要のある事柄もたくさん存在していることを考えると、なかなか本腰を入れて、すべてのスタッフの要望を聞き入れることは、難しいのかもしれません。
看護師の人間関係における悩み2:先輩看護師に対して
(1)威圧的な先輩に、ビクビクしてしまう
威圧的な態度を取る先輩がいると、腹が立つ反面、「自分はダメな人間なのではないか…」と「こんなことを言われる自分が悪いんだ…」などと知らない間に自己暗示をかけてしまっていませんか?
まるで先輩の評価が自分の評価であると勘違いしていませんか?でも、それは必ずしもあなたに問題があるわけではないことを知っておきましょう。
先輩看護師との人間関係のヒント1:なぜ、そのような言い方をするのかを考える
威圧的な物の言い方や態度を取る相手は、周囲が何をしてくるわけではないのに、過剰に自己防衛をしている場合がほとんどです。
過去に厳しい家庭環境に置かれていたり、いじめにあったりなどが原因で、そのような態度を取る場合があります。あるいは、自分を認めてもらいたいという承認欲求が強いために、威圧的な態度を取ることで優位に立とうとする傾向にあります。
先輩看護師との人間関係のヒント2:ビクビクしすぎない
確かに、物の言い方や態度がキツいと動揺し、平静に振る舞うことが難しいと感じるのはもっともです。しかし、威圧的な先輩に対し、必要以上にビクビクすることは、相手の「支配欲」を満たすことになり、思うツボになりますので注意しましょう。
先輩看護師との人間関係のヒント3:自己評価について振り返る
威圧的な態度を取る人に対し、過剰に恐怖を抱く場合、自分自身の自尊心が低くなっていないか、あるいは、自分の価値は他者の評価で決まると思いこんでいないか、振り返ってみましょう。
(2)感情の起伏が激しい先輩に対し、気疲れする
さっきまでニコニコしていたと思ったら、急に不機嫌になったりなど、態度がコロコロと変わる先輩は、あなたの周りにいませんか?何だか先輩に振り回されているような感じになり、落ち着かない気持ちになりますよね。
先輩看護師との人間関係のヒント4:相手の感情に振り回されない
昔から日本人は、相手がもつ感情の影響を受けやすいタイプの人が多いと言われています。
相手が理由もわからず怒っている姿に「…何か私、悪いことしたかな…」と必要以上に気になったり、相手の一挙一動が気になったりする人は要注意です。
このような人は、相手の感情を引き受ける必要はないと言い聞かせ、相手との境界線をきっちりと引くことが大切です。
先輩看護師との人間関係のヒント5:なぜ、感情の起伏が激しくなるのかについて理解する
単に感情のコントロールができないというケースもありますが、女性の場合はホルモンバランスの崩れや、極度のストレスが原因で、感情の起伏が激しくなる場合があります。
もしかしたら、普段、苦しくてつらい思いをどこにも吐き出すことができずに、身の回りに思わず当たってしまうのが理由なのかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
「相手を変えることはできない」という言葉はよく聞きますが、看護師の人間関係の悩みは言い換えると、相手の行動をみて、自分の態度を振り返る機会にもできますよね。
相手との関係性では「相手にもその行動をとる理由や、その行動に至るまでの背景」があることを理解しようとすることが大切です。
今回は、「管理職」「先輩」をメインに記事を書きましたが、次回は「同期」「後輩」に対する悩みのストレスについて解決法をお伝えしますね。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。
看護師の悩み解決専門カウンセラー 坂口千絵