病院の肥満外来(ダイエット外来)の治療や薬。保険適用の範囲とは?

肥満外来のチーム医療

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  • 太り過ぎて体が重い
  • ヒザが痛い
  • 腰が痛い
  • しゃがむのがしんどい
  • 医者にも言われたから痩せないと…

そうは言っても、なかなか努力が続けられない。あるいは、毎回リバウンドしてしまう…。

肥満は様々な病気の原因にもなるため、程度によっては「見た目がみっともないだけ」では済まされない問題です。

とはいえ、痩せなければ健康上のリスクがある状況でさえ、なかなか自分の意思だけではダイエットが難しいケースもあるでしょう。

そんな肥満に悩む一人ひとりの患者に合わせた個別のプログラムで、医師と専門家チームが一丸となって肥満の「治療」をサポートしてくれるのが病院のダイエット外来です。

本記事では、ダイエット外来の「受診対象者」「治療の内容」「肥満治療薬」「保険適用の範囲」について詳しくみていきます。

ダイエット外来を受診するにはどうしたらいい?

どうすればいい?

ダイエット外来には、「肥満外来」「痩せ方外来」「メディカルダイエット外来」など、いくつかの名称がありますが、いずれも医師が診療を行う医療機関を指します。

エステなどの痩身施術とは違い、ダイエット外来では薬の処方や外科的な処置を行えることが特徴です。

医師と共に、薬剤師、管理栄養士、臨床心理士などのチームで診療にあたり、カウンセリングや様々な指導を受けられることも、大きなメリットでしょう。

肥満度を測る指標にBMIというものがあります。そして、日本における肥満の診断基準は、WHOが定める欧米諸国の基準よりも厳しくなっています。

これは、日本人の場合、軽度の肥満でも肥満が原因で引き起こされる健康障害を伴いやすい内臓脂肪型肥満が多いという特徴があるからです。

日本肥満学会から「肥満症診断基準2011」というガイドランが出されています。

BMIと肥満度
出典:「肥満症の心身医学」

内臓脂肪型肥満の判定は、ウエストを測定した数値を目安にしてスクリーニングし、最終的に腹部CT検査で内臓脂肪面積を調べます。

内臓脂肪型肥満の診断
出典:「肥満症の心身医学」

下記のサイトでは身長と体重を入力してBMIを自動計算できます。
BMIと適正体重

ダイエット外来を受診できるのはこんな人

ダイエット外来を受診できるのは、BMIが25以上で、メタボリックシンドロームや高尿酸血症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群などの生活習慣病を併発している人、肥満による膝や腰の痛みがある人などが治療の対象となります。

高尿酸血症について詳しくはこちらの記事が参考になるでしょう。

病院によっては、ダイエット外来を受診できる対象をBMI35以上の高度の肥満に限定しているところもあります。受診する予定の病院で診てもらえるかどうかは、事前に問い合わせるとよいでしょう。

肥満症診断フローチャート
出典:「肥満症の心身医学」

以下のチェック表で3個以上チェックがつくなら、ダイエット外来を検討してもよいかもしれません。

高血圧・脂質異常症・糖尿病・脂肪肝などの生活習慣病を指摘されている
腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上ある
お腹が出ているのに、皮下脂肪を少ししかつまむことができない
BMIが男性で27.8、女性で26.2以上ある
最近、急激に体重が増えた
トイレの回数が7回未満もしくは、むくみが気になる
慢性的な腹部膨満感や便秘がある
慢性的な睡眠不足である
お腹がすいていないのに、食べていることがよくある
過食・嘔吐を繰り返している
過度のいびきや睡眠時無呼吸症候群の疑いがある合計_個

ダイエット外来ではどんな治療をするの?

肥満外来の医師

医療機関によって、ダイエット外来での検査や治療の内容はそれぞれ特色があります。

一般的には、まず精密検査で肥満の度合いや合併症などの詳しいデータを調べます。さらに、遺伝子検査の結果をもとにあなたに最も効果的な減量の方法を指導してもらえる病院もあります。

ダイエット外来での治療には、次のような5つのものがあります。

  1. 食事療法:適正カロリー、栄養のバランス、健康的な食べ方の指導
  2. 運動療法:無理なく続けられる運動の指導
  3. 行動療法:過食や暴飲暴食を自制する工夫を習慣づける指導
  4. 薬物療法:薬の作用で食欲や脂肪の吸収を抑える
  5. 外科療法:食べる量や吸収量を減らすための外科的手術

極端な食事制限は長続きしませんし、過度の運動も継続するのは難しいでしょう。

リバウンドを避けるために最も重要なことは、「太る生活習慣」を改善することです。

そのためダイエット外来では、個人の性格的な背景も考慮したうえで、ストレスを増やさずに健康的な生活を維持することを目的に、個別のプログラムを作って治療を行います。

1~3の基本療法に加えて、必要な場合は4の薬を使った治療が行われます。

使われる薬には、脂肪の吸収を抑えるゼニカル(日本未認可)、食欲を抑えるサノレックス(保険適用)、漢方薬(保険適用)があります。

ゼニカル

ゼニカル

ゼニカルに含まれる成分「オーリスタット」が脂肪分解酵素リパ-ゼの働きを抑制。その結果、食事で摂取した脂肪の吸収を30%カットするといわれています。

これはFDA(アメリカ食品医薬品局)で承認されており欧米で使用されている薬ですが、日本では未承認です。そのため自費扱いのみとなります。

ちなみにFDAというのは、日本の厚生労働省と似たような政府機関です。食品や医薬品の安全性と有効性などを保証し、適切な流通・使用を監視する国際的にも権威ある組織です。

欧米で認可されている安全で有効な薬品でも、日本の厚生労働省が国内で認可するまでには、かなりの時間を要しているのが現状です。

サノレックス

サノレックス

BMIが35以上の高度の肥満の場合に、食事療法と運動療法の補助療法として厚生労働省が認可している、食欲を抑える内服薬です。健康保険で処方される場合があります。

薬の服用と同時に有酸素運動を行うことで、より効率的に減量効果が得られます。

ただし、サノレックスを継続して使えるのは3ヵ月までとされています。理由は、約2ヵ月~2ヵ月半で耐性ができ、食欲が元に戻ってしまうためです。

そのため、ダイエット外来では、通常3ヵ月~6ヵ月を目標に治療を行います。3ヵ月~6ヵ月目に治療の効果を評価して、必要な場合は新たなプログラムを組み直すことがあります。

防風通聖散(漢方薬)

病院処方の防風通聖散

病院で処方される ツムラの漢方薬62番防風通聖散

「副作用のリスクを最小化できる」というメリットから、病院で処方されるのが防風通聖散という漢方です。

防風通聖散は実証に使用され、脂肪太りで、特にお腹に脂肪がたまりやすい人に向いています。

出典:医薬品適正使用推進機構

ちなみに漢方薬の処方には、

  • 満了処方(薬効100%)
  • 3/5処方
  • 1/2処方

などがあり、病院で処方される ツムラの漢方薬62番防風通聖散は1/2処方となります。

ただし、

1/2処方なので、胃部不快感・食欲不振といった副作用も穏やかな反面、効き目も穏やかです。

もともと副作用リスクの少ないことが漢方のメリットの1つ。

若い方、体格のよい方などで、効き目の強さを求める方には「満量処方シリーズ」をお勧めしています。

長期間のむ方、高齢の方には、成分量の少ないものをお勧めしています。

出典:クラシエ

 

外科療法

手術

5の外科療法は減量手術を行います。欧米では外科療法が普及しており、高い治療効果を上げています。特に上部消化管に対する手術では、糖尿病の改善に対して高く評価されています。

日本での減量手術は、あくまで美容の目的ではなく、肥満と合併症の悪化や進行が予想される場合に限られています。

1~4の内科的治療を行うダイエット外来とともに「減量外科」として診療している病院もあります。

日本肥満症治療学会のガイドライン(2013年版)で、手術の適応について以下の様に定められています。

「18~65歳までの原発性(一次性)肥満であり内科的な治療でも十分な効果が得られず、次のいずれかの条件を満たす場合」

  • 減量が主目的の手術適応は、BMIが35以上であること
  • 並存疾患(糖尿病、高血圧、脂質異常症、肝機能障害、睡眠時無呼吸症候群など)の治療が主目的の手術適応は、BMIが32以上であること

ただし、この適応での手術は臨床研究としてのものであり、厳格なインフォームドコンセント、臨床登録および追跡調査などを必須とする。

現在、日本で行われている手術には、胃バンディング術、胃形成術(切除術)、胃バイパス術、十二指腸転換術の4つがあります。

胃バンディング術は、胃を切り取らずに縛って小さくする手術です。

胃バイパス術は、胃を残したまま、食道と小腸をつなぐ手術で、いくつかの手術方法があります。

胃形成術(切除術)は、胃を切り取って小さくする手術です。

胃を切り取るには、開腹手術と腹腔鏡手術の2通りがあり、腹腔鏡手術の中のひとつに「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」という手術方法があります。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術のみが健康保険の適応となっており、BMI35以上であることが条件となっています。

その費用は、保険診療の場合でも病院によって大きく異なります(50万~90万円)。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術以外の手術は、すべて自費になります(~200万円)。この場合の費用も病院によって異なりますので、確認が必要です。

参考:
日本肥満治療学会ガイドライン2016年版
東邦大学医療センター 佐倉病院外科消化器科「肥満症に対する減量手術について」
大阪大学消化器外科「減量外科」

肥満遺伝子にはいくつかの型がある

「友達と同じダイエット法を試してみたけど私だけ効果がない…」

「いったい何が違うんだろ?」

そんなことってありますよね。

それは、その方とあなたの肥満遺伝子のタイプが異なるからかもしれません。

私たちが「肥満遺伝子」と呼んでいるのはエネルギー代謝に関わる数十種類の遺伝子で、エネルギーを消費せず溜め込んだり、脂肪を燃焼させにくい性質があります。

出典:肥満遺伝子|汐留ガーデンクリニック

今は病院に行かなくても、肥満遺伝子のタイプを自宅で簡単に検査できるキットがあるので、次章でご紹介しますね。

自宅でできる簡単遺伝子検査キット4選

自宅で遺伝子検査

肥満遺伝子の検査は病院ではなく、検査キットを購入して自宅で行うこともできます。代表的なものを7つご紹介します。

1.ハーセリーズ DNA SLIM ダイエット遺伝子検査キット

ハーセリーズダイエット遺伝子検査キット

【商品名】
DNA SLIM ダイエット遺伝子検査キット
【価格】
7,425円(税込・送料無料)【キット内容】
・取扱説明書
・食事行動チェックリスト
・検査申込み書類
・口腔粘膜採取用綿棒
・お名前シール
・郵送用封筒(受取人払い)
・エアーパッキン

【検査後レポート内容】
・遺伝子分析結果
・食事のアドバイス
・運動のアドバイス
・ダイエットプラン
・食行動判定結果

【販売者】
株式会社ハーセリーズ・インターナショナル
広島県広島市安佐南区祇園

 

2.肥満リスク遺伝子検査

肥満遺伝子テスト

【商品名】
肥満リスク遺伝子検査
【価格】
10,000円(税込・送料無料)【注目ポイント】
・現役ドクターによる解析の正確性
・◯◯型評定ではなく交感神経と副交感神経に着目
・お腹周り、腰回りの脂肪分解しやすさがわかる
・脂肪燃焼効率も判定
・体質にあったトレーニング法もわかる

【検査キット内容】
・概要書
・検査申込同意書
・検体採取方法の説明書
・検体採取用綿棒
・検体返信用封筒

【販売者】
株式会社 漢方生薬研究所
福岡県福岡市中央区天神

 

3.DHC遺伝子検査ダイエット対策キット

DHC遺伝子検査

【商品名】
DHC 遺伝子検査ダイエット対策キット
【価格】
5,500円(税込・送料無料)【検査後レポート内容】
・検査結果報告書
・DHCパーソナル・カルテ

【販売者】
株式会社ディーエイチシー
東京都港区南麻布

 

4.遺伝子検査キット 遺伝子博士

遺伝子博士遺伝子検査キット

【商品名】
遺伝子博士
【価格】
8,580円(税込・送料無料)【検査キット内容】
・サンプル採取用綿棒
・検査の流れ、サンプルの採り方説明書
・解析依頼書・同意書
・サービス概要説明書
・利用規約
・返送用封筒

【販売者】
株式会社ファインシード
東京都渋谷区東

 

ダイエット外来の治療費に健康保険が使えるって本当?

健康保険

美容目的だけの痩身に関する医療処置を行う「美容外科」や「美容クリニック」などでは、健康保険は使えません。この場合は、脂肪吸引や脂肪を溶かす注射(メソセラピー)などを、医師が行います。

ダイエット外来を行っている病院やクリニックでは、健康保険の適用に一定の基準があり、相談してみなければその判断はできません。保険が使えない自費診療もあるので、医療施設に確認が必要です。

自費の場合は一般的に、病院・エステともに平均して30万~40万円ほどかかるといわれていますが、治療の内容はそれぞれ違います。エステでは、薬の処方ができないため、サプリメントなどで対応しています。

病院で保険診療を行う場合は、肥満の程度とプログラムの内容によって10万円以下で治療を受けられることもあるようです。治療の期間や薬の使用の有無でも、この料金は変わります。

保険診療の内容は、検査・指導・薬の処方(サノレックスと漢方薬)の範囲になります。なお、遺伝子検査などはこれに含まれません。

さいごに

体重計

一口に「肥満」といっても、美容的な側面から命にかかわる危険な問題まで実に様々な要素を含んでいます。

もし、あなたがこれまでダイエットで何度も挫折あるいはリバウンドを繰り返してきたとしたら、この先も自己流のダイエットでリバウンドを繰り返し続ける可能性が高く、健康リスクが高いといわざるをえません。

「みんなと同じ」ではなく、ご自身の性格・状態・生活リズムに合わせた個別のプログラムが効果を発揮します。

もし受診の基準を満たすのであれば、1つの選択肢に医学的な「治療」として専門家のサポートを受けられるダイエット外来の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

ここまで読んで「病院までは要らないかな…」という場合には、

今のライフスタイルにまずは、お腹の脂肪を減らすのを助けてくれるシボヘールを取り入れてみるのもおすすめです。