九月病の29の症状と2つの原因そして54の対策まとめ【保存版】
新入社員や新入生の「五月病」というのは、よく耳にします。五月病は、環境の変化に順応できないことや過度のストレスから起こり、ゴールデンウィーク明けにからだの不調や気分がふさいでどうしようもない状況をいいます。
同じように、お盆休みや夏休みが終わった九月にも、「九月病」という状態になることが増えています。これは新人に限らず30~40代でも、とくに配置転換や転勤、転職などで環境が大きく変わった時に起こりやすいものです。
また、季節の変わり目で急激に気温が変化し、夏の疲れが解消されず体力が消耗している場合にも九月病は起こりやすいので注意が必要です。
重要なことは、できるだけ早く自分のSOSをキャッチして、対策を講じること。もし、適切な対策をとらずに放置すると、九月病はうつ病などへ移行しやすく、あなた自身も周りの人々も不幸になってしまうかもしれません。
そして、適切な対策は九月病の「予防」にもつながります。さあ、正しい知識で九月を乗り切り、豊かな実りの秋を迎えましょう。
九月病の代表的な29の症状
九月病の症状には、次のようなものがあります。
13の心の症状
- やる気が出ない
- 集中力がない
- 思考力の低下
- 無気力
- 何をしても楽しくない
- 何を食べてもおいしくない
- 食べたいという気持ちが起きない
- 気分がふさぐ、落ち込む
- 外出するのがおっくう
- お化粧するのが面倒くさい
- どうしようもない不安感
- 訳のわからない焦り
- イライラして怒りっぽい
だるくて何もしたくない、気分がどんよりしている、言いようのない不安や焦りでイライラして当り散らす。それは、九月病が引き起こす心のSOSです。
16のからだの症状
- 眠れない
- 眠りが浅い
- 寝た気がしない
- 早朝に目覚めてから眠れない
- 寝つきが悪い
- 途中で何度も目が覚める
- いくら寝ても寝足りない
- 朝なかなか起きられない
- 頭痛
- 肩こり
- めまい
- お腹が痛い
- 食欲不振
- 食べ過ぎ
- 動悸
- 耳鳴り
九月病のからだの症状で、一番問題なのは「睡眠」に関することです。症状は様々ですが、共通する対策があるのでしっかりと取り組んでいきましょう。
九月病を引き起こす2大原因とは
九月病の原因は、大きく分けて「ストレス」と「生活習慣」の2つ。最大の原因はストレスです。そこに、生活習慣の乱れが大きく影響しています。
1.ストレス
知らないうちに溜まってしまったストレスが、さまざまな症状を引き起こします。ストレスを自覚しても、うまく発散できない人が、九月病にかかりやすいと言えるでしょう。
また、性格にも特徴的な傾向があります。
完璧主義・几帳面・頑固・思い詰める性格。常に大きな目標を掲げる・失敗が怖い・他人の目が気になる・先入観や固定観念が強い。たくさんの情報に振り回されてしまう。
ひとつひとつは、真面目な性格ゆえのこと。決していけないことではないのですが、このような傾向が強く出てしまうと、ストレスの重圧に耐えられなくなり、九月病になってしまいます。
また、騒音や気温といった外部環境からの刺激もストレスになります。
気温の高い夏は、室内と戸外の温度差が激しく体温の調整がうまくいきません。冷房の効いた室内では、血液循環が悪くなって代謝が悪くなります。このような環境で体力を消耗するので、自律神経の乱れにつながります。
暑くて食欲が落ち、冷たいものばかりを食べていると、内臓が冷えて消化機能が低下します。食べる量が減り消化吸収する働きも落ちてくるので、必要な栄養が十分摂れなくなります。
更に、食事の偏りなどからも、気持ちの安定に必要なセロトニンが大幅に不足することになります。その結果、気分が落ち込んで眠れなくなってきます。
2.生活習慣(不眠)
ストレスに次ぐ九月病の大きな原因は、不眠です。
不眠には、なかなか寝付けない入眠困難、夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒、朝早くに目が覚めて二度寝ができない早朝覚醒などがあります。
この時期の寝不足には「精神的」「物理的」な要因が絡み合っています。暑くて眠れないからと朝までクーラーをつけたまま寝ると、起きた時に体がだるい。かといって、連日の熱帯夜に寝苦しい中粘ってみても消耗するだけで睡眠不足になる…。
どのタイプの不眠も、体力を消耗しストレスを悪化させます。この不眠を改善する対策が、九月病の改善にはとても重要です。
九月病の2大原因を遠ざけるための5つの対策
九月病の原因を遠ざける5つの対策の構成要素は、以下の通りです。
- ストレスを解消する2つの対策
- 生活習慣を改善する3つの対策
では、順番に見ていきましょう
1.ストレスを解消する2つの対策
ストレス対策の基本は、まず(1)溜めないこと、そして(2)解消することです。そのためにあなたが知るべきことは、「気持ちの切り替えのコツ」と「リラックス法」になります。
以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
A.ストレスを溜めない気持ちの切り替え13箇条
ストレスが知らず知らずのうちに溜まってしまう人の多くは、性格や考え方に特徴があります。そうした自分の傾向をよく知って、気持ちを切り替える思考のクセをつけることが大事です。
ストレスがたまりやすい人の傾向と切り替えかたは次のとおりです。
- 完璧主義→すべてが完璧にできなくてもよい
- 自分一人で頑張ってしまう→誰かを頼ってもよい
- 何でも簡単に思い込んでしまう→「そんなこともあるさ」くらいに考える
- 頑固な先入観がある→「本当にそうかな?」と疑ってみる
- たくさんの情報に振り回される→情報の選択や時には遮断する
- 休日にすることがない→没頭できる楽しみや趣味を見つける
- つい思い詰めてしまう→別の楽しいことを考える
- 一人で部屋にこもる→友人や家族とコミュニケーションをとる
- 目標がクリアできない→実現可能な小さな目標から達成していく
- 失敗が怖い→誰でも失敗はするものだ
- できませんと言えない→一人で抱えずに助けを求める
- 他人の目が気になる→自分は自分でかまわない
- 頑固で融通が利かない→時には他人に譲る
急には気持ちを切り替えられなくても、「自分にはこういう傾向があるんだ」と気づくだけでも十分効果があります。この思考パターンを、まずは無理やりにでも繰り返して自分の脳に刷り込みましょう。
B.ストレスを解消する38のリラックス法
どんなに気をつけても、ストレスは自然に溜まるものです。溜まってしまったストレスは、きちんと自覚して発散しましょう。
ストレス対策に効果的なことは「リラックス」することです。自分に合ったリラックス方法を、場面に応じて使いわけることが大切です。
また、最近のストレス源として、「SNS疲れ」が急増しています。タイムラインに流れる他人のリア充ぶりに無意識で対抗意識を持つ。あるいは、仲間はずれになるのが怖くて「いいね」や「コメント」で即レスをし続ける。自分の投稿に対する他人の反応が過剰に気になる、など。
その結果、片時もスマホを手放せないなど、極度のSNS依存状態に陥ることもあります。そうなると、九月病を更に悪化させることになるかもしれません。
- 1日の中で就寝前の1時間はSNSから離れる
- 休日も、きちんとお化粧やおしゃれをして外出する
- ハイキングや森林浴、登山
- 映画館で映画鑑賞
- 美術館や博物館
- コンサート
- 好きな音楽を聴く
- 好きな香りを楽しむ
- 好きな飲み物でくつろぐ
- 美味しいものを食べる
- 友人やパートナーと楽しくおしゃべりする
- 温泉やお風呂に入る
- 岩盤浴やミストサウナに入る(どちらも低温)
- 深呼吸をする(息を完全に吐ききってから、ゆっくり吸い込む)
- 上を向いて空を眺める
- 草原に寝転ぶ
- ブランコに乗る
- ドライブ
- カラオケで歌う(元気が出る曲!YouTube再生100万回超厳選100曲‐前編)
- 楽器を弾く
- 縄跳び(これがとても良い!!)
- 整体やリフレクソロジーを受ける
- マッサージチェアに座る
- セルフマッサージ
- 美容室や理容室へ行く
- 水族館や動物園へ行く
- ペットと遊ぶ
- 好きな本を読む
- 本やDVDを見て大泣きする(【泣ける映画70選】涙腺崩壊洋画☆検索上位25サイトまとめ)
- 花を見る、飾る
- 趣味に没頭する
- 短い昼寝(20分以内)
- プラネタリウムを見る
- 星を見つめる
- 料理をする
- 掃除をする
- 窓を拭く
- 大好きな人とスキンシップ
あなたに効果のありそうな対策は、いくつ見つかりましたか?
このほかにも、きっとあなたのオリジナル対策があるはずです。ゆっくりと考えてみてくださいね。そして、試してみてください。
この中で、「なぜ縄跳び?」と思いませんでしたか?実はこれ、簡単に全身のリンパを流す裏ワザなのです。からだに溜まった疲れやコリも、ストレスの大きな原因です。リンパを流して、その疲れをリセットする簡単な方法が「縄跳び」なのです。
心の緊張は、からだがほぐれてリラックスすると、一緒にほぐれていくものです。「気持ちよい」と感じることが、そのままリラックスにつながります。あなたが「気持ちよい」と感じることを探してくださいね。リラックスのカギはそこにあるはずです。
次章では、生活習慣の乱れがストレスを増やし、心身の不調を加速させている点に注目していきましょう。
2.生活習慣を改善する3つの対策
生活習慣を改善する対策として特に大切なことは次の3つです。
A.質の良い睡眠
B.セロトニンを増やす
C.内臓を温める
以下、順番に見ていくことにしましょう。
A.質の良い睡眠
生活習慣の対策で最も重要なことは、「質の良い睡眠」を確保することです。
休日に寝だめをせず、早寝早起きを心がけましょう。平日も、サマータイムなどを利用して、普段よりも早く起きて活動するとリフレッシュすることができます。
休日だからといってゴロゴロ過ごさずに、散歩やスポーツなどで適度にからだを動かしましょう。
カンタンかつ重要な九月病対策は、(1)寝る前に、ぬるめのお風呂にゆっくりつかることと、(2)寝る1~2時間前は、パソコンやスマホを見ないことです。もちろん、タブレットやTVも見ません。ブルーライトや電磁波が脳を興奮させて、眠りを妨げるからです。
また、ぜひ試して欲しい対策は、寝室の家具や寝具をブルー系の色にすること。カーテンやブラインドを青に変えるだけでも、よく眠れるようになります。赤や濃いピンクなどの刺激の強い色の家具はよくありません。カバーリングなどで工夫しましょう。
そして、もう1つ特に注意して欲しい対策は、遮光カーテンを使わないこと。カーテンを買い替える余裕がない場合には、寝る時にカーテンを半分くらい開けておきます。自然の朝日を十分に浴びて目覚めることが、睡眠の質を高めます。
考えてみれば、「音で目覚める」なんていうことは自然界ではありえないこと。実はこれ、気づかない小さなストレスになっているそうです。
1階に住んでいたり、女性の一人暮らしの場合にはカーテンを開けて寝ることは防犯面で難しいかもしれません。その場合には、こちらの記事で紹介している光目覚まし時計がおすすめです。
▶︎光目覚まし時計inti(インティ)がおすすめな10の理由
最後に、意外とあなどれない対策が「枕の向き」です。
あなたは、南枕で寝てはいませんか?南枕にはアクティブに活動し、興奮する効果があります。逆を言えば、寝ている間も休まることができません。また、西枕では必要以上に落ち着き過ぎて気分が沈んでしまいます。
もっとも快適に眠れる枕の向きは北枕で、次が東枕です。
「えっ!?北枕?」
そうです。北枕は仏様を安置する時に使いますが、けっして縁起が悪い訳ではありません。一番安らげるベストポジションだからこそ、最期に仏様をこの世の苦悩から解放するために北枕にするのです。筆者は、かれこれ北枕歴20年になります。
B.セロトニンを増やす
次に大切な対策は、バランスのとれた食事をきちんと摂ることです。特に、朝食を抜くのはよくありません。牛乳や果物だけでもいいので、必ず朝食を摂りましょう。
脳で分泌される「セロトニン」というホルモンは、九月病のうつ的な気分を打ち消してくれます。そして、このセロトニンの原料になるのが「トリプトファン」という物質です。
これは、ヒトのからだの中では作られない必須アミノ酸の一種なので、どうしても食事から補給しなければなりません。
トリプトファンが豊富に含まれている食品は、牛乳・乳製品・豆・豆製品・バナナ・アボカド・肉類・スジコ・タラコなどです。
セロトニンは、日中は幸せな気分にしてくれて、夕方から夜になると睡眠のホルモンである「メラトニン」に変化します。これにより、夜もぐっすり眠れるというわけです。早起きしてトリプトファンをたくさん摂ると、昼も夜も快適に過ごせて、まさに一石二鳥の対策です。
C.内臓を温める
最後の対策は、からだを冷えから守ることです。
夏は暑さをしのぐために、エアコンで冷房を効かせたり、冷たいものを飲んだり食べたりすることが多くなっていますね。30度を超える外気温と冷えた室内や車内の温度差は、からだの調節機能を狂わせて体力を消耗します。そして、内臓の冷えは、自律神経の乱れを促進し気分を落ち込ませる原因にもなっています。
冷房の効いた環境では、1枚羽織るものやストール、膝掛などを使って冷えからからだを守りましょう。特に、飲み物はできるだけ温かいものを飲むようにして、内臓を冷やさないように気をつけてください。
また、冷たい料理を食べた時の対策に、熱いお茶やコーヒーなどを食後に飲むと、内臓の冷えをリセットすることができます。
このように生活習慣を整える対策は、心とからだ両方のリラックスにもつながります。乱れた生活習慣で不要なストレスをかけずに、健やかに過ごしましょう。
ちなみに、脳の幸福物質「セロトニン」の原料トリプトファンを補う飲み物は、血圧を下げる飲み物とほぼ同じです。参考になる記事がありますので、合わせてご覧くださいね。
▶︎血圧を下げる飲み物!最強ドリンクは沸かしたアレで淹れた緑茶。
九月病対策の限界と受診のタイミング
9月病は「病」という字がついていますが、医学的な病名ではありません。しかし、適応障害の一種ととらえられています。
適切な対策を行っても上記の症状が長期に改善しない場合は、積極的に病院を受診しましょう。具体的な目安は「約1ヵ月」です。4週間を超えて不調が続く時には、迷わず受診することが必要です。2ヵ月も3ヵ月も先延ばしにするのは、よくありません。
そして何も対策を講じずに放置すると、どんどん症状が悪化してあっという間にうつ病に移行する可能性が高くなります。
また、女性の場合は、九月病を更年期障害と勘違いして放置し、無理に我慢することがあります。婦人科でも、メンタルの診断や治療を受けることができるので、ぜひ相談することをお勧めします。
まとめ
あなたは、いくつの症状があてはまりましたか?
九月病の対策は、心とからだの両方のストレスを解消することです。そのためには、生活習慣を整えてリラックスすることが不可欠です。これが、九月病の「解消」になり、同時に「予防」にもなるのです。
あなたが普段ストレスを自覚していなくても、心とからだのSOSに注意深く耳を傾けて、早めに対策を取るように心がけましょう。もし、自分でどうしても気づかない時には、親しい友人やパートナーに教えてもらうのも、ひとつの方法です。
そして大切なことは、この記事にある九月病対策を「完璧」に実行しようとしないこと。せっかくの対策が、逆にあなたを苦しめる結果になっては元も子もありません。ご自身に合うもの、無理なく取り入れられそうなものを1つでも2つでも試してみてください。そしてそれを続けてみてください。
たとえば、少しくらい夜更かしをしてしまっても自分を責めない。「ま、いいか」と、翌日に取り戻せば大丈夫です。楽しみながら効果を実感すること。それが大切です。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。