決断とは1つに決めて「他の選択肢を絶つ」ということ
ものごとの「選択」や「決断」には少なからずストレスを伴います。
それは、何かを選ぶということは、同時に何かを「選ばない」と決めることでもあるからです。
「決断した」といいながら、なかなか前に進むことができない。
そんな人には以下の2つのケースに該当していないかチェックしてみてください。
1.選ばなかった方の選択肢を気にし過ぎている
自分が選んだひとつではなく、選ばなかった方のことばかり考えてはいませんか?
もしそうだとすれば、そちらに気を取られるあまり、目の前の「選んだこと」に集中できていない可能性が高いです。
集中していないのなら、本来の自分の力は発揮できないでしょう。
その状態で、ベストの結果を出すことは極めて困難です。残念ですが、結果はやはりそれなりのものになります。
すると、「ああ、やっぱりあちらを選んでおけばよかった」と、後悔するハメになりかねません。
これだと結局、どの選択肢を選んでも後悔することになります。
それは、「選択肢」に対する後悔ではなく、「選んだこと自体に対する後悔」だからです。
そして過去の選択を悔やんでいると、「今、ここ」に目を向けられなくなります。そうなると、連鎖的に次の選択も誤ることにもなりかねません。
私たちの日々は選択の連続なのですから。
こういう人は、何を選んでもこの悪循環をグルグル巡り次々と新たな後悔を重ねることになります。苦しくても、どこかでこのループを断ち切らなければなりません。
動けなくなるくらいなら見ずに跳べ!
結局、どちらを選んでも後悔する人は後悔するし、どちらを選んでも後悔しない人は後悔しない。
少し乱暴な言い方に聞こえまるかもしれませんが、これが本当なのです。
極論すれば、どっちを選ぶかが重要ではなく「選んだ方に集中すること」が重要だということです。
選んだらあとはもう「退路を断つ」ことです。大きい決断であればあるほど、不退転の覚悟で臨む。それが自分の決断に責任をもつということです。
…怖いですか?プレッシャーですか?
今からすごく大事なことをいいますよ。
何が正解かなんて人生の途中でわかるわけがないのだから、白髪が増えるほど悩んで正解を選ぶことが重要なのではなく、
2.「これでよかったのか?」という思いが消えない
その理由は、自分の下した決断に自信がないから。もっと言えば、その決断を下した自分に自信がないから。
これは、根本的には本人のパーソナリティの問題です。この場合も結局、何を選んでも後悔することになるでしょう。
自分が「選んだ1つ」に対する後悔ではなく、「自分が選んだこと」に対する後悔だからです。
依存心のかたまりになっていないか?
実際、自分の考えに自信が持てないという人は多いのです。こういう人は、他者への依存心が大きいのが特徴です。
「ねえねえ、どう思う?」
「どっちにしようかな―?」
「あんただったらどうする?」
「私もあんたと同じにする!」
こんなふうに、最終的に誰かに決めて欲しがる傾向があります。自分のことであるにもかかわらず、責任の所在を回避したいのです。
これを解決するには、自分に自信をつける必要があります。
…でも自信なんてどうやって身につければいいのでしょう??
誰もが知りたい自信のつけ方。自身をつける方法には、次の2つの方法があります。
- アファメーション
- 小さな成功体験を積み重ねる
アファメーションで自信をつける
アファメーションというのは、いわゆる「おまじない」です。自分自身に肯定的な言葉をかけ続けることによって実際の自分を望む方向に導くことができるというものです。
具体的には次のような短い言葉をブツブツとつぶやきます。
「わたしは困らない」
「わたしは迷わない」
「わたしは決められる」
「わたしは後悔しない」
他人に聞こえないくらい小さな声で自己暗示の言葉をブツブツつぶやきます。
コレ、プロスポーツ選手やアスリートがよくやっていますね。陸上選手がスタート前に胸に手を当ててやっているアレです。
フィギュアスケートの羽生弓弦選手が演技前にやっているアレです。
言葉には人を導く力があります。古来より日本には「言霊」という概念が存在しています。
【言霊 】ことだま:
言葉に宿る霊の意。
古代の日本人は言葉に宿る霊力が、言語表現の内容を現実に実現することがあると信じていた。
言霊の信仰によって言葉を積極的に使って言霊をはたらかせようとする考えと言葉の使用をつつしんだり避けたりする考えとの二つの面がある。
出典:百科事典マイペディア
スピ系の話ではなく、むしろ脳科学的な話です。
小さな成功体験を積み重ねて自信をつける
具体的に何をすれば良いのかはいろんな方法がありますが、決断に対する自信をつけるなら「決める訓練」がいいでしょう。
毎日は「小さな選択の連続」だといわれています。その一つひとつの選択を「なるべく早くやる」というものです。
最終的には、できれば即決~30秒以内にはしたいところです。これにより、実際に「決断瞬発力」が鍛えられます。
たとえば、ランチのメニューや自販機のジュース、服選びや居酒屋のオーダーなどいくらでもありますね。
この時のコツとしては、ザクザクと選択肢を減らして常に2択で考えることです。名付けて「いきなり決勝戦」戦法です。
こうして「決断瞬発力」が高まってくると、それが成功体験となり、自分の決断への信頼感につながります。
さいごに
いかがだったでしょうか?選ばなかった選択肢は「過ぎ去ったもの」=「過去」です。それはもはや、自分に対して何の影響も与えません。
桃太郎のお婆さんは、あの日川で洗濯をしていました。そして、大きな桃を拾ったのです。
もしもあのとき、洗濯を優先して、桃を拾わずスルーしていたら?
大きな桃はそのまま川下に流れ去り、他の誰かに拾われてお婆さんの現在に何ら影響を与えることはありませんでした。
お爺さんとお婆さん、2人きりの家族のまま人生を終えていたことでしょう。
しかし、お婆さんは自分の前に流れてくる前に即断をしアクションを起こし、その細腕で大きな桃を拾ったのです。
そして、自分が桃を拾ったことを全力で正解にしました。
「こんなもん拾うんじゃなかった!」とは思いませんでした。
だからあなたも、ぜひ自分が拾った桃だけに集中してみてください。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。