【職場いじめ】被害者に象徴的な2つの特徴をセルフチェックせよ!
いま、子供同士のいじめだけでなく、社会人による「職場のいじめ」も数多く存在しており、社会問題としてクローズアップされています。
いつ自分がいじめの加害者、被害者あるいは傍観者になってしまうとも限らない「職場のいじめ」はもはや避けて通ることのできない「課題」なのかもしれません。
それでは、自分が実際に「職場のいじめ」に遭っているときは、どんな対策を行う必要があるのでしょうか。今回は、「しかるべき窓口に相談する」という行動面の具体的な解決方法ではなく、心理面からいじめの構図と対策をお伝えします。
1.職場いじめの構図とは
世間では、「いじめる側」に100%の原因があるという前提の意見をお持ちの方も見受けられます。
しかし、厳密にいうと、人と人が関わり合う状況において、どちらかに100%の原因があり、一方が0%ということはありません。
「いじめられる側」にも原因があるという論に真っ向から異を唱える方もいますが、間違えないでほしいのは「原因」=「悪」ではないということ。
そのことを前提にお話をさせていただきます。
そもそも職場のいじめは、「いじめる側」の一方が存在していても、「いじめられる側」の存在がなければ成立しない構図です。言葉を言い換えると、被害者なしに加害者は存在しません。
それでは、職場のいじめにおける「加害者」と、「被害者」にはそれぞれ、どのような特徴があるのでしょうか。
2.職場のいじめ~加害者の特徴
私は、これまで数多くの「職場いじめ」の場面に遭遇した経験がありますが、残念なことに「加害者」と呼ばれる人たちには「いじめ」をしている自覚がまったくと言っていいほどありません。
自覚がないどころか、「相手のためを思って言っている」という「誤った思いやり」、あるいは「教育の一環」のつもりで言っている人が後を絶たないのが現状です。
また、なかには相手に対する嫉妬の感情から、いじめをする場合もあります。
加害者は、自分よりも過剰に下手に出てくる相手に対し、反応しやすい傾向にあります。なぜなら、人間には自分が相手より優位に立ちたいという欲求があるからです。
ですから、過剰に下手に出てくる相手に対しては、容易にその欲求が満たされ、必要以上に弱い者に対して強気の態度に出るといった傾向にあります。
3.職場のいじめ~被害者の特徴
いじめとは、一方が加える物理的・精神的な攻撃により、もう一方が精神的に苦痛を感じることを指しています。
「職場のいじめ」に遭う人を、自分も含めて長年、観察していると、いじめられる側が持つ心理面の特徴があります。
3-1.劣等感
「自分は周りと比較して劣っている」という思い込みが前提にあるため、
- 必要以上にビクビク・オドオドした態度を取る
- 相手の顔色ばかり気にする
- 何でもかんでも「すいません」を連発する
などの行動が目立ちます。
3-2.被害者意識
初めに断っておきますが、私たち人間は、それを意識するにせよ、しないにせよ、多かれ少なかれ、「被害者意識」を持つ場面が存在します。
注意されただけなのに、周囲の人間に「私はこんなに○○さんにヒドイことを言われた」と触れまわる
その場で「被害者」を演じることで、誰かから構ってもらえたり、なぐさめてもらえたりした経験を「快」と認識し、無意識に「いかに自分がヒドイことをされたか」を言い触らすという行動に出ます。
私は何も悪くない。変わるのは相手だと信じ込むあるいは「私が全部、悪いんだ…」と責め続ける
自分が変わりたくないため、自分を「被害者」の立場に置くことで変わらないでいる理由を自分のなかで成立させます。
また、自分を責め続けることにより、「私は何をやってもどうせ変われない」「どんなことをしたってムダ」という言い訳へとつながります。 現状を変えていくことに過剰な恐怖をもっているケースに多く見られます。
4.「職場のいじめ」と「投影」との関係性は?
あなたは「投影」という言葉をご存知ですか?投影とは心理学用語のひとつで、「自分の感情や考えが、周囲の状況に映し出されることを意味します。
劣等感を持っている場合は、「相手が上、自分が下」であるという前提があるため、必然的に加害者(強者)と被害者(弱者)という図式が成り立ちます。
また、加害者自身が劣等感を持つ場合、被害者が持つ劣等感に刺激されて自分の意識を投影させ、いじめをするといったケースも存在します。言い換えると、自分と似たような人に苛立ちや嫌悪感を持つ場合がそれに当てはまります。
被害者意識を持っている場合も同様に、相手が加害者で自分が被害者となるような状況が生み出されるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。実は、私も過去に、何度か職場のいじめを経験したことがあります。渦中にいるときにはやはり「悪いのはアイツなのに!!」「どうして私だけがこんな目に遭わなければならないの?!」と現実を受け入れられない思いでいっぱいでした。
しかし、前述のように加害者と呼ばれる職場の人たちは「いじめをしている」という自覚がないがゆえに、被害者が苦痛を訴えたとしても自分の非を認める可能性は低いかもしれません。
だとしたら、自分の内面を見つめる機会と捉えるのが得策な場合もあります。
職場のいじめを受けている真っただ中にいて、とても辛い思いをしているあなたに対し、「すぐに劣等感や被害者意識あるいは正義感から脱却してください」というつもりはありません。
辛い…苦しい…腹立つ…このような感情の滞りがある間は、「それでも前に進め」と言われる方が、逆にしんどいのです。
そのような状況のときは、あなた自身の心のなかで渦巻いている感情に対し、「辛いよね」「苦しいよね」「腹立つよね」と、自分自身がいま、抱えているその思いをありのまま受け入れてあげることが先決です。
そして、感情を十分、感じきった後に、「いったい、自分の内面のどんなところが現実に反映されているのだろう?」と振り返り、修正をかけていくことで、人生を強く生き抜いていく「力」へと変えていくことも可能なのです。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。