【納得】職場で自分を見失って流されるのは集団心理のせいだった!
忙しいフリをすることに忙しいヤル気のない職場の雰囲気、逆に窒息しそうなほどピリピリ張りつめた会議室の空気、または繰り返される陰口や陰険な仲間外れ・いじめなど。もういい加減あなたもウンザリしているのではないですか?
職場のヌルい連中に合わせていたらこっちまでヌルくなる。理想の自分像を持っているあなたならきっとそう思はずです。
そして、高みを目指して孤軍奮闘しようとするのですが、出社するとまた、同僚たちのヌルさに流されてしまう…。あなたのように自分の考えやポリシーを持った大人は、傍から見てもカッコいいものです。
しかし、そんな人でも集団内において感情をコントロールするのはなかなか容易なことではありません。
人間の感情は、自分が属する集団から大きな影響を受けていることが知られています。とくに、「学校」や「職場」において集団の影響を避けることはきわめて困難であるといわれています。
しかし、それでも「集団心理」の存在を知っているのと知らずに流されるのとではまったく対処法が変わってきます。まずは、この記事で集団心理というものについて知ってください。
3つの集団心理
ここでは、精神科医ウィルフレッド・ビオンが分析した集団心理のパターンを紹介します。
人間が不安に陥ったときには、次の3つの集団心理が生まれるといわれています。
依存(ディスペンシー)
特定のリーダーに頼ろうとする心理です。
皆がそのリーダーに依存してしまうため、集団内のメンバーは考えなくなり結果的に、リーダーのひと言で物事が決まってしまうようになります。
この状態に陥った集団はメンバーの思考が停止しているので、もはや個人の集まりたる“集団”であることの意味がありません。
闘争・逃避(ファイト・フライト)
敵に対してまとまろうとする心理です。
不安なときには敵をつくって、全員でその敵と戦おうとしてまとまるか、あるいは皆で一緒に敵から逃げようとしてまとまります。グループ内の統率がとれずバラバラのときに、意図的に「仮想敵」をつくるということはよくあります。
その敵が弱ければ、皆でコテンパンに叩きのめしその敵が強ければ、皆が相手を避けることでまとまっていく。この場合の「仮想敵」がグループの内部に生じるのがイジメの典型的なパターンです。
つがい(ペアリング)
吉報の要素をみつけて皆で明るい気分になろうとする心理です。
たとえばグループ内にカップルを作り出して、彼らを祝福して明るい気分になろうとしたりします。それ以外にも、職場でのこうした話題も希望や期待を生むペアリング効果と言えます。
- 「もうすぐ大きな契約が決まりそうだ!」
- 「ウチの次期新製品はものすごいらしい」
集団心理下で陥る3つのワナ
「赤信号みんなで渡れば怖くない」。有名なこのフレーズがその危うさを象徴するように集団心理下では気をつけるべき3つのワナがあります。
同調
自分の考えが周りの意見に左右されることです。
皆が言っていることに影響されて、自分の物事の見え方が変わってしまうことが多々あります。本当は異論があるのに、周囲を見回して自分以外に反対意見がないようなら、発言を控えるなどがそれです。
かなり知的レベルの高い人であってもこの現象は起こります。
リスキーシフト
リスクの高いほうの選択肢に流れることです。「群集の意見は極端に走りやすい」という言葉の示す通り、人は集団内では、個人の意見よりも極端な意思決定をする傾向があります。
集団の中にいると、普段よりリスクの高い方向の判断をしやすくなるのです。それは「消極的な意見を言って臆病者に思われたくない」という心理が働くためです。
集団的手抜き
「自分がやらなくても誰かがやるだろう」という心理です。集団の中にいると周りの人に頼ってしまうものです
「自分がやらなくても誰かがやるだろう」と思うことであまり真剣に考えなくなりその結果、手抜きが起こります。たとえば、1人の拍手の音を1とすると、100人なら100の大きさになるはずなのに60とか70程度にしかならないのはそのためです。
責任分散…他の人がいることで、一人の責任が分散する
多元的無知…周りの人も行動しないので、行動する必要がないのだと
勝手に判断してしまう
評価懸念…自分が行動することで、周りにどうみられるかを怖れる
まとめ
いかがだったでしょうか?
集団心理の存在を知った上で、それに流されず自分の足で歩く。望む高みを目指すことも、意に反してイジメに加担しないことも皆で一緒に明るい気分になることも主体的に選ぶことができます。
また、望むならば、集団心理を利用して集団のリーダーになることだってできるのです。まずは、あなたの属する集団で起きている「集団心理」を一度冷静に観察してみてはいかがでしょうか。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。