日焼け止めによる過剰な日光遮断!ビタミンD不足がヤバい。
NASAが「史上最も暑い夏」になるのでは?と予言した今年の夏。毎日突き刺すような日差しが続いて肌が悲鳴をあげていませんか?
そんな日々に必需品の日焼け止めですが、日焼け止めで皮膚に届く日光を完璧に遮断しすぎると、皮膚でのビタミンD合成を阻害しビタミンD不足を起こしてしまうといわれています。
今回は、日焼け止めで日光を遮ってしまい、ビタミンDが不足してしまうことのリスクとその予防策についてお話します。
ビタミンDと日光の関係とは?
「ビタミンDと日光ってどういう関係があるの?」
あなたはそう思われるかもしれません。じつは、私たちは日光(紫外線)を浴びることで、皮膚でビタミンDを合成しています。ビタミンDの調達はこの①皮膚での合成と②食品からの摂取に依存しています。
そしてビタミンDに関しては、食品摂取量によるビタミンD不足というのはほとんどなく、圧倒的に日光を浴びる機会が少ないことが原因である場合が多いのです。
日焼け止めを塗るとビタミンDが作られなくなる?
ビタミンDを体内で作るために必要なのは、紫外線の種類の1つであるUV-Bです。UV-BはUV-Aと違い波長が短いので、室内にいると窓ガラスなどを通して侵入することができません。必ず外に出て浴びる必要があるのです。
市販されている日焼け止めは、そのほとんどにUV-Bを防ぐ機能が備わっていると思います。つまり、過度に日焼け止めを塗っていると皮膚でビタミンDが作られなくなってしまうのです。
“Canadian Pharmacists Journal” に掲載されたキングズカレッジ・ロンドンによる以下の研究では、日焼け止めを使用していてもビタミンDの合成は行われることがわかっています。
研究の方法:
今回の研究では、79人のボランティアが、スペインの海岸で一週間のバケーションを過ごしました。 79人を2つのグループに分けて、一方のグループにSPF15の日焼け止めを使用してもらいました。結果:
バケーションの前後にビタミンDの血中濃度を計測したところ、日焼け止めを使用していても、日光に当たることでビタミンDが16 nmol/L(6.4ng/ml程度)増加していました。この結果から、強い日差しにさらされる場合には、SPF15の日焼け止めを使っていてもビタミンDが合成されると考えられます。
出典:最新健康ニュース
しかし、「場所が海岸付近なので水中に入る可能性があること(日焼け止めが落ちる)」「日差しの強い地域であること」「SPF15という比較的弱い日焼け止めであること」「途中で塗り直しをしたかどうかの記載がないこと」などから、日焼け止めの効果そのものが通常より弱いのではないかとも考えられます。
とくに、日頃からSPF50以上の強い日焼け止めを使っている女性も多いですから、上記の研究はあくまでも参考程度にとどめておいた方が良いかもしれません。
ビタミンD不足による健康被害
ビタミンDは、カルシウムを吸収するために必要な栄養素です。不足すると、骨粗鬆症・骨軟化症などの骨に関わる病気に繋がります。
世界保健機関(WHO)は、間違いなく少量の日光が健康にとって大切で、ビタミンDを作るのに必要な日光照射の目安は、肌の色や生活習慣での違いはあるものの、顔と両手両腕に1週間に2、3回、夏季で約5~15分(低緯度はさらに短時間)としています。
また、環境省では日本における日光照射時間は、両手の甲に1日1回、ひなたで約15分あるいはひかげで約30分必要としています。
出典:日経トレンディネット
過剰な日焼け対策をしている女性が健康診断で、医師からビタミンD不足を指摘され日光を浴びるよう指導されることも少なくないそうです。ビタミンDは、年齢を重ねても健康な骨や歯を維持するために欠かせない栄養素なのです。
ビタミンD不足にならないための対策
1.食品で補う
ビタミンDは、レバー・カツオ・サバ・鮭などに多く含まれています。焼き鮭1切で1日のビタミンD必要量が摂れるので、簡単といえば簡単なのですが、魚を食べる習慣がない人や外食ばかりの人は、ビタミンD不足になりやすいのです。
2.日光浴をする
一番手っ取り早いのが日光浴をすることです。日焼け対策をせずに日光を浴びる習慣があると、食品で補う必要はないというくらい効率が良いのです。しかし、肌が光老化するデメリットもありますから、日焼け止めを塗らずに日光を浴びる勇気は出ませんよね。
そんなあなたにおすすめなのが、以下の3つの方法です。
日陰日光浴
夏の場合、日陰にいても日光浴と同じ効果があるといわれています。1日30分程度で構いません。日焼け止めを塗らずにベランダや公園などで日陰日光浴をしてみましょう。
手の平日光浴
手の平はメラニンの分泌が少ないので、手の平を太陽に向けて顔を隠せば日焼けをしてしまう心配は減ります。もちろん、手の平に日焼け止めは塗らず、1日15分程度を目安に行いましょう。
早朝日光浴
なぜ早朝が良いのかというと、ビタミンDの摂取は朝に行った方が健康に良いということがわかっているからです。
理由は夜に摂取するより朝に摂取した方が、睡眠の質が上がるから。また、早朝の方が気温も低いですし、真昼の強い日光より柔らかい日差しなので、肌トラブルも少なくて済みます。
参考:https://www.circl.jp/
3.サプリメントで補う
日光浴をする時間がなく、食生活も簡単に変えられない場合にはサプリメントを利用しましょう。もちろんビタミンDのサプリメントでも良いのですが、忙しいあなたには普段の日焼け止めを「飲む日焼け止め」に変えてみることがおすすめです。
だって、日焼け止めを厳重に塗って皮膚のビタミンD生成を止めたうえで、それを補うために別でビタミンDのサプリを飲むって…二度手間で結構大変じゃないですか?その点、飲む日焼け止めなら、毎日外出前に飲むだけで日焼けによる肌の光老化対策ができるうえ、ビタミンD不足の予防効果も期待できます。
飲む日焼け止めを使うメリット
前項でお話しした飲む日焼け止めについてもう少しお話します。
飲む日焼け止めを使うメリットとしては、次のようなことがあげられます。
- 肌の火照り、日焼けを防ぐ
- 肌につけないので敏感肌でも関係ない
- 塗ってないのでベタついたりしない
- 塗ってないので白浮きしない
- 塗り忘れによるうっかり日焼けを防げる
- 載ってないので塗り直しの手間が要らない
- 日焼け止めを落とす手間が要らない
- 塗る日焼け止めのようにビタミンDの合成を阻害しない
- 外出前に飲むだけなので手間がかからない
- シミやしわができるのを遅らせることができる
- 商品によってはビタミンDが含まれており、塗る日焼け止めとの併用も可能
このように塗る日焼け止めと比べると、紫外線対策が驚くほどお手軽・短時間で済むうえ、ビタミンD不足による骨粗鬆症の予防も期待できるため大変おすすめです。
詳しくはこちらの記事にて。
飲む日焼け止め歴3年の筆者おすすめ!2018年優秀サプリ7選
さいごに
日光を浴びるとビタミンDはもちろん、セロトニンの分泌も促され、心身の安定にも繋がります。
過剰な紫外線による「しみ・シワ・光老化」も、ビタミンD不足による「X脚・O脚・骨粗鬆症」もどちらも気になりますもんね。
日焼け止めを過剰に使いすぎず、外出する習慣を身につけましょう。ご紹介したように、日焼け対策は日焼け止めを「塗る」以外にもあるので、この記事を参考にぜひ自分に合った方法を見つけてくださいね。