乾燥のかゆみに効果的なヒルドイド。使用上の注意と正しい使い方
慢性的な乾燥肌の救世主として「ヒルドイド」が注目を浴びています。
ヒルドイドはがん治療においても、抗がん剤や放射線治療による皮膚炎などの対策に使用されていて、皮膚の乾燥や炎症がある皮膚炎に効果があります。
この記事では、
乾燥肌のかゆみに長年お悩みのあなたに、ヒルドイドの効果と使用上の注意点、そして正しい使い方をお伝えします。
放射線治療による皮膚のただれを治す場合には、この記事で紹介するヒルドイドよりも、超低刺激かつ高保湿の「ロベクチンプレミアムクリーム」をおすすめします。
ロベクチンはもともと、放射線治療の後遺症跡を修復する医療用途のために開発された保湿クリームです。
皮膚が乾燥するとかゆみが出現するのはなぜ?
乾燥とかゆみの関連性を理解するには、「バリア機能」と「ヒルドイド」について知る必要があります。
水分と皮脂のバランスを保つ肌のバリア機能
出典:http://www.naturalweb.co.jp/
健康な皮膚の表面には、外界の刺激から皮膚の内側を守るためにバリア機能を持った角質があります。
角質のバリア機能とは、皮膚から水分が蒸発して肌が乾燥しないように、水分と皮脂のバランスを保つ機能のことです。
間違ったスキンケアや外傷・炎症などでこのバリア機能が低下してしまうと、外部からの刺激に敏感に反応し、かゆみ神経を過度に刺激します。同時に、角質が剥がれおちた未熟な皮膚は、簡単に外からの刺激で炎症を起こし、サイトカインという物質が発生します。
乾燥とかゆみの負のスパイラルを止めるヒルドイド
角質が剥がれおちた皮膚表面にサイトカインが増えると強いかゆみを感じ、掻いてしまうことになります。そうすると更に皮膚が剥がれおち、皮膚の乾燥と炎症が悪化し、かゆみが続き……その繰り返しで次第に慢性的な症状へと定着していきます。
この皮膚の乾燥とかゆみの負のスパイラルを止める救世主の一つが「ヒルドイド」という医薬品になります。
医薬品であるヒルドイドとは?
ヒルドイドにはクリーム、軟膏、ローション、ゲルがあります。ヒルドイドクリームは古くから使用されている医薬品で、1954年に販売され、ヘパリン類似物質を成分としています。
ヘパリン類似物質が皮膚の乾燥やかゆみに効果がある理由は、下記の効能によります。
- 炎症を抑える
- 新陳代謝の促進
- バリア機能の回復
実際に、皮膚の乾燥とかゆみが特徴的な「皮脂欠乏症」「進行性指掌角皮症」を高い確率で改善することが証明されています。
「進行性指掌角皮症」は、一般的に「手荒れ」と呼ばれる症状の一つです。
手荒れは、主婦の方や美容師さん、飲食店や銀行で働く人がかかりやすく、水仕事や紙幣の扱いなどで、繰り返し指先を刺激するために起こるといわれています。
一度手荒れが起こると、適切なスキンケアを行っても症状が改善せず、皮膚の乾燥とかゆみに悩まされることになります。
私たちの皮膚表面を覆う角質のバリア機能を回復し、大切な皮膚の水分を保持してくれるヒルドイド。
しかし、その中で注意したいのが「ヒルドイドクリーム」と「ヒルドイドゲル」です。
これらの成分中に含まれる添加物で、軽い過敏症を起こす人がいることも報告されています。
ヒルドイドは医薬品。使い方にはご注意を
慢性的なかゆみを伴う乾燥肌に悩まされている方に、強い味方のヒルドイド。皮膚科などを受診して診断がつけば、処方してくれることが多いと思います。
症状が重い時は軟膏をしっかり塗って皮膚を保護し、皮膚全体になじませたい時はローションを使ってみることをおすすめします。
けれど、あくまでもヒルドイドは医薬品です。
症状が落ち着き、皮膚の炎症やかゆみ・乾燥が落ち着いたら、肌質に合う市販のスキンケアアイテムに戻しましょう。
ちなみに、乾燥肌の方におすすめの市販クリームは以下の記事にまとめてあります。
また、市販の保湿用化粧水のおすすめはこちらです。
それから、くれぐれも「他の人からもらったヒルドイド」を使ったりしないで下さいね!
他人の軟膏やローションには、持ち主が持っている常在菌が付着していることもあります。
これは医薬品だからこそ、とくに気を付けて欲しい注意事項です。
きちんと医師の診断を受けて、自分の乾燥肌やかゆみの原因を知ってからヒルドイドを使用しましょう。
さいごに
以上、肌に乾燥やかゆみが起こる理由や、ヒルドイドが肌の乾燥やかゆみを抑える効能をご説明してきました。参考になりましたでしょうか。
ヒルドイドは、乾燥肌やそれに伴うかゆみを抑えてくれる効果のある医薬品です。症状に応じて、上手に使用したいですね。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。