乾燥肌のかゆみにはこれ!尿素+〇〇配合クリームが正解
乾燥肌のかゆみってすごくストレスですよね…皆さんはどんな対策をしてるでしょうか?
かゆみをともなう乾燥肌の保湿ケアについては、
「尿素配合のクリーム一択でしょ!」という意見と、「尿素使い続けるの怖くない!?」という意見があります。
じつはこれ、どちらの意見も正しいのです。カギは尿素の配合割合と使用期間です。
この記事では、
- 保湿クリームに配合される尿素のはたらき
- かゆみ対策で尿素のほかに注目すべき成分
- おすすめの市販クリーム【ボディ編】
をご紹介します。
*お急ぎの場合は目次から該当箇所に飛べます。
かゆみが強い場合の対症療法用は目次④
かゆみが引いたあとの保湿ケア用は目次⑦
かゆみをともなう乾燥肌の保湿ケアは尿素でOK【注意点は2つ】
保湿効果のある「尿素」ですが、使用方法を間違えると高い確率で乾燥肌がより悪化します。
【これだけは注意してください!】
- 尿素配合クリームの長期連続使用はNG!
- 尿素を顔に使わないこと
市販の尿素配合クリームの製品添付文書には「2週間使用しても症状が良くならない場合は使用を中止し、医師・薬剤師に相談を」という記載があるのをご存知でしょうか?
また、かゆみが引いた場合にはその時点で使用をやめ、次の段階「保湿ケア」へ移行する必要があります。
尿素を必要以上に長く使い続けることは、別のリスクを生じる可能性があるため避けるべきです。
さらに、皮膚の厚みや刺激耐性が異なる「体」と「顔」でクリームは使い分ける必要があります。
この記事では、おすすめの市販クリーム【ボディ編】を紹介します。【フェイス編】は以下の記事をごらんください。
記事の後半では「尿素配合クリームの14日以上の連続使用」が乾燥肌のかゆみ改善の逆効果になる理由についても解説しています。
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
かさかさ乾燥肌のかゆみには尿素配合クリームが正解!【ボディの場合】
ドラッグストアにはたくさんの乾燥肌用クリームが並んでいます。
値段も成分も様々ですが、乾燥によるかゆみ対策なら選ぶ際の大前提にして欲しいのが「尿素配合」であることです(ボディ用)。
市販されている保湿クリームの主成分は以下の4つに分けられます。
(出典:ヘパリン類似物質とは:ノバルティス ファーマ株式会社)
【保湿クリームの主成分4つ】
- ヘパリン類似物質:[粉吹き肌に◯]炎症を抑える働き。
- ワセリン:[乾燥肌に◯]表面に油分の膜をつくり、水分の蒸発を防ぐ。
- セラミド:[敏感肌に◯]潤いを閉じ込めて外部刺激から守るバリア機能。
- 尿素:[カサカサ肌に◯]肌をしっとりさせる。角質を溶かす作用。
「尿素って乾燥肌のかゆみに使って良いの?」
「尿素を使うと乾燥肌が余計悪化するって聞いたことあるけど…」
その気持ちはとてもよく分かります。
「尿素は肌にとって良いのか悪いのか??」というのは、もうずっと昔から議論され続けているテーマなんです。
尿素は使用する量の見極めが肝心
「薬にも害にもなるもの」
これが尿素に対する正しい認識です。
あいまいに思えるかもしれませんが、「少し使うだけなら薬になるけれど、適量を過ぎると害になる」というのが正しい解釈なのです。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
考えてみれば、尿素に限らず頭痛薬でも下剤でもなんでもそうですよね。
乾燥肌のかゆみ対策で失敗しないためには、まず、尿素のもつ「2つのはたらき」について理解する必要があります。
尿素のはたらき1:保湿作用
尿素はもともと天然保湿成分(NMF)の1つとして肌の角質層の中に保持されている成分。水分が蒸発するのを防いだり、吸収した水分を保持したりする働きがあります。
つまり、尿素は「肌の潤い成分」の1つとして働いているものだったんですね。
それを知ると、保湿クリームに尿素配合のものが多いのもうなずけます。
尿素のはたらき2:角質溶解作用
また、尿素には角質のタンパク質の間に割り込んで、タンパク質を破壊する働きがあります。
これにより皮膚の角質を取り除き、硬くなった皮膚を柔らかくする「角質溶解作用」が尿素の2つめの働きです。
市販のクリームには尿素20%配合のものが多いのですが、それ以上尿素の配合比率を上げると角質溶解作用が強くなりすぎて、皮膚への刺激が強すぎるためです。
尿素を使うことによるメリットは?
尿素配合クリームを角質が分厚く硬くなったガサガサの肌に使うと、尿素の角質溶解作用により角質が剥がれやすくなります。
そのため使い始めから「肌が柔らかくなった」と実感できるでしょう。
尿素は通常の保湿クリームでは改善しなくなったゴワゴワ・ガサガサの肌を柔らかくして、皮膚を正常化させてくれるので有効成分が浸透しやすくなります。
乾燥肌のかゆみには尿素+〇〇。正解はこの3つ!【ボディの場合】
これまで見てきたように、尿素はゴワゴワの肌を柔らかくしてくれるけれど、それ自体にかゆみを抑える成分があるわけではありません。
かゆみを抑えるためには以下にあげる3大かゆみ止め成分のうちいずれかが入っていることが必要です。
【3大かゆみ止め成分】
- ジフェンヒドラミン
- リドカイン
- クロタミトン
尿素配合クリームを顔には使わないで
繰り返しになりますが、尿素配合クリームを顔に使うべきではありません。「問題ない」とする意見も散見しますが、使わない方が無難です。
顔の皮膚は他の皮膚に比べて薄くデリケートなため、尿素配合のハンドクリームやボディクリームを顔に使うと顔の角質層を剥がしてしまい、深刻な肌トラブルを引き起こしてしまう可能性があるからです。
とくに目や口など粘膜に近い部分に塗ってしまうと悲惨なことになりますから、注意してくださいね!
…とはいえ、一番乾燥するのは顔だったりするんですよね。なので、顔用の保湿クリームを別の記事にまとめました。
尿素だけじゃ役不足。乾燥肌のかゆみを鎮める即効クリーム3選【ボディ編】
では、実際に乾燥のかゆみ対策にはどんなクリームがあるのか?市販のおすすめクリームを3つ厳選してご紹介します(かゆみにはコレが効きます!)
1.かゆいドライスキンに メンソレータムAD20クリームタイプ(ロート製薬)
メンソレータムAD20クリーム【成分】
- 尿素:角質の水分保持機能を高め、乾燥した肌をしっとりさせます
- クロタミトン
- ジフェンヒドラミン:皮膚のかゆみを鎮めます
- グリチルリチン酸モノアンモニウム
- 酢酸トコフェロール(ビタミンE誘導体)
出典:製品添付文書
メンソレータムAD20クリーム【添加物】
- l-メントール
- スクワラン
- パルミチン酸イソプロピル
- カルボキシビニルポリマー
- ステアリン酸グリセリン
- セトマクロゴール
- セタノール
- dl-ピロリドンカルボン酸Na
- pH調節剤
- グリシン
- トリエタノールアミン
メンソレータムAD20クリーム【使用上の注意】
- 目や目のまわり、粘膜等には使用しないでください
- 小児(15歳未満)は使用させないでください
- 2週間位使用しても症状がよくならない場合は医師に相談を
出典:製品添付文書
2.メンタームEXプラス(近江兄弟社)
メンタームEXプラス【成分】
- 尿素:角質の水分保持機能を高め、乾燥した肌をしっとりさせます
- d-カンフル:皮膚の血行を促進します
- ジフェンヒドラミン塩酸塩:皮膚のかゆみを鎮めます
- リドカイン:皮膚のかゆみを鎮めます。
- トコフェロール酢酸エステル:皮膚の血行を促進します
出典:製品添付文書
メンタームEXプラス【添加物】
- ステアリルアルコール
- セタノール
- セバシン酸ジエチル
- ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
- ポリオキシエチレンソルビタンステアレート
- プロピレングリコール
- トリエタノールアミン
- カルボキシビニルポリマー
- メチルパラベン
- プロピルパラベン
メンタームEXプラス【使用上の注意】
- 目の周囲、粘膜等には使用しないこと
- 小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させてください
- 2週間位使用しても症状が良くならない場合は使用を中止し医師・薬剤師に相談すること
出典:製品添付文書
3.ケラチナミンコーワ 乳状液20(興和薬品)
ケラチナミンコーワ【成分】
- 尿素:体内の成分を皮膚に取りこんで、皮膚をしっとりなめらかにします
- ジフェンヒドラミン塩酸塩:かゆみを鎮めます
- グリチルレチン酸:皮膚の炎症を鎮めます
出典:製品添付文書
ケラチナミンコーワ【添加物】
- ワセリン
- ステアリルアルコール
- オリブ油
- グリセリン
- カルボキシビニルポリマー
- キサンタンガム
- スクワラン
- ミリスチン酸オクチルドデシル
- ポリソルベート60
- ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
- ステアリン酸ソルビタン
- エデト酸Na
- DL-アラニン
- グリシン
- クエン酸
- 水酸化Na
ケラチナミンコーワ【使用上の注意】
- 目の周り、粘膜等には使用しないこと
- 小児(15歳未満)には使用させないこと
- 基礎化粧品等の目的で顔面には使用しないこと
- 2週間使用しても症状が良くならない場合は使用を中止し、医師・薬剤師に相談すること
出典:製品添付文書
かゆみが酷い時期は、まずこれでかゆみを鎮めましょう。話はそれからです。
ただし…
尿素の最大の注意点はココ!連続使用は厳禁!!
尿素の2つの働きは前述のとおりですが、尿素はその保湿効果以上に「角質溶解作用」が高いということを覚えておいてください。
つまり、尿素は「極端に酷い状態の肌への非常的な使用にとどめ、ある程度良くなったら決して日常的に使用し続けてはいけない」ということです。
「あんなに酷い状態だった肌がここまでキレイになるのなら、ずっと使い続けたい!」という気持ちも分かります。
しかし尿素は使い続ける限り、せっせと角質を分解して剥がし続け、バリア機能の未熟な肌を晒し続けます。
つまり、いつまでも尿素配合クリームを使い続けることは逆効果になるのです!
これを無視して尿素を使い続けた結果、「肌のターンオーバー」が早まってしまいます。そして、それこそがさらなる肌トラブルの引き金になるのです。
ターンオーバーが早まることが肌荒れの原因
(出典:ターンオーバーで肌トラブル改善)
肌のターンオーバー(皮膚細胞の生まれ変わり)は20代で約28日、30代で約40日、40代で約55日といわれています。
間違ったスキンケア・その他の原因でこのサイクルが早まることで肌表面に未熟なままの角質層が増え、肌のバリア機能が保てなくなります。
その結果、シミ、しわ、たるみ、乾燥肌、敏感肌など、あらゆる肌トラブルの原因となってしまいます。
尿素を使い続けることで、その角質溶解作用によって肌のターンオーバーが早められ上記のことが起こります。ですから適切な時期に使用をやめなければなりません。
ココに最大限の注意が必要です。
かゆみを鎮める「尿素」から卒業して次の段階「保湿ケア」へ移行する目安は?
尿素は使い続けると、その「角質溶解作用」により新たな肌トラブルの引き金になります。
では、尿素配合クリームをやめる適切な時期ってどのくらいなんでしょうか?
「かゆみがおさまったら」というのが一般論なのですが、期間的な目安もお伝えしますね。
尿素配合のクリームの連続使用は、最大でも14日で中断することが推奨されています(製品添付文書にも記載あり)。
その理由は下記のとおり、表皮の角質層が14日ごとに入れ替わっているためです。
今日誕生した表皮細胞は角化の準備を進めながら代謝活動を行い、約14日後に細胞核を失い死細胞の角質として完成します。
さらに14日後にはバリアーの役目を終え垢として剥がれていきます。
出典:サッポー美肌塾
しかし、このように14日間で角質層が新しく入れ替わったとしても、そこに尿素を使い続けることで、その新しい角質層をも溶かし続けてしまうのです。
これが、尿素を使用し続けることで乾燥肌が悪化する原因になります。必ず覚えておいてくださいね。
尿素配合クリームの製品添付文書に「2週間使用しても症状が良くならない場合は使用を中止し、医師・薬剤師に相談を」とあるのはそういう理由からです。
極端にひどい状態の肌に対して、ある程度良くなるまでの期間に限って使用することは大いに効用があります。
しかし、必ず途中で尿素の配合されていない製品の使用へ移行しないと、肌の状態はさらに良くなっていきません。
出典:サッポー美肌塾
極端にかゆみがひどい状態だった乾燥肌が回復してきたら、次は保湿ケアの段階へ移行することが必要です。
次章では保湿ケアにおすすめのクリーム【ボディ編】を載せていますので、ぜひ参考にして下さい。
顔用の保湿ケアクリームは以下の記事をどうぞ。
かゆみを伴う乾燥肌をケアするボディ用保湿クリーム【3選】
1.モイスティシモ クリーム
出典:POLA公式サイト
①販売会社:POLA
②内容量:30g(毎晩の使用で約100日分)
③価格:7,700円(税込)
④トライアルセット:3,520円(税込)
⑤保湿成分:サクラエキス、オウレンエキス、ワセリン
保湿成分オウレンエキスやサクラエキスなどを配合し、角質を整え、潤いに満ちた柔らかで吸いつくようなもっちりとした肌に。
滑らかに肌に伸びて保護膜を形成し、外部刺激から肌を守ります。
2.ミューラグジャスボディクリーム
出典:@cosme
①販売会社:株式会社ヴァンクリーフ
②内容量:160g
③価格:2,480円(税別)
④トライアルセット:なし
⑤保湿成分:スクワラン・αアルブチン・プラセンタエキス・ヒアルロン酸・セラミド
ミューラグジャスの香りのファンだという女性はとても多いですね。お気に入りの香りだとテンションもあがります。
シリーズで大人気のSexy Sweetの香りをそのままボディクリームに使用。フルーティーな甘い香り⇒バニラ⇒ムスクと香りの変化を楽しめます。
オーガニックでありながら高い保湿力を実現。しかもベタつきが少なく浸透性の高いゲルタイプで肌の奥までしっかり潤うクリーム。
安心の日本製です。
3.ビーハニー 越冬クリーム
出典:公式サイト
①販売会社:ハウス オブ ローゼ
②内容量:100g
③価格:1,320円(税込)
④トライアルセット:なし
⑤保湿成分:コラーゲン、ヒアルロン酸、コメヌカスフィンゴ糖脂質、ハチミツ、エーデルワイスエキス、ユキノシタエキス、インペラトリア葉エキス
大人気の越冬クリームが今年も登場!期間・数量限定販売。全身用です。
ハチミツ・ローヤルゼリーなど肌に潤いを与えて満たす、ミツバチの恵みを詰め込んだリッチクリームです。
乾燥した角層へ浸みんで乾燥・肌荒れを防ぎ、モチモチの肌に導きます。顔を含む全身に使えて、透明感のあるハニーサックルの香りが冬の気分を上げてくれます。
もっと低刺激・高保湿を求めるあなたに【超低刺激・高保湿】のとっておき
3つのクリームをご紹介しましたが、「超低刺激・高保湿」にこだわるあなたには、最後にもう1つとっておきを。
それが、「ロべクチン プレミアムクリーム」です。
ロベクチン プレミアムクリームは、もともと抗癌治療や放射線治療による皮膚関連の副作用に苦しむ方のケアの為に開発された保湿クリームです。
そのため、乳幼児の肌にも使えるくらい刺激の少ないクリームなんです。
超低刺激・高保湿クリームとして、TVや雑誌の「ミランダボディの作り方」という特集でも取り上げられたロベクチン プレミアムクリーム。低刺激の保湿成分が肌に優しくしっかりと潤いを与えます。
あわせてフェイス用保湿ケアクリームもチェックしてみて
以上、ここまでおすすめのボディクリームを紹介してきましたが、一番乾燥するのは「顔」ではないでしょうか。
顔と体とでは同じ肌でも皮膚の厚み・刺激に対する耐性が違います。フェイスクリームはこちらをどうぞ。
さいごに
今回はとても大事なことをお伝えしたので長くなりましたが、この記事のポイントは以下の3つです。
この記事の3行まとめ
- 尿素+かゆみ止め成分配合クリームを選ぶ
- 尿素配合クリームは顔につけてはいけない
- 尿素配合クリームは2週間以上使わない
肌の状態やクリームの効果は、一人ひとり異なります。
部屋を加湿したり、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって肌のケアをしてあげることも、乾燥肌が原因のかゆみには効果的です。
42℃以上の熱いシャワーを顔にかけたり、こたつで体を温めすぎたりしないように気をつけて、乾燥シーズンをなるべく快適に過ごしましょう。