高血圧の予防にはカカオ72%のチョコレートを食べる習慣が吉。
チョコレートはダイエットの天敵。毎日食べると体重が増えるし、ニキビができやすくなるし、虫歯になるし…。
そんな健康には良くないイメージのチョコレートを、あなたは罪悪感を抱きながらも止められずにいるのではないでしょうか?
でも大丈夫。実は、「チョコを毎日食べることで血圧を下げる効果がある」という研究結果があるんです。
この記事では、チョコに含まれるカカオポリフェノールの効果を知って、高血圧を予防する方法をお伝えします。
高血圧の予防・健康増進にチョコレートがもたらす効果とは?
平成26年6月中旬~7月中旬にかけて、愛知大学大学院大澤教授が明治製菓の全面協力のもと行った「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」という実験があります。
実験方法はカカオ分72%の高ポリフェノールチョコを毎日25g(1枚5g・約150Kcal)摂取し、摂取前後に血圧測定や健康に関するアンケート・採血を行い、チョコが心身に与える影響を調査するというものです。
実験の結果は以下のとおり。
1.最高血圧・最低血圧ともに血圧が下がった
(出典:チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究 中間報告)
実験を始める前と、実験開始後4週間経過時点で、実験に参加した方の最高血圧・最低血圧が下がり、特に血圧が高めな方ほど、低下幅量が大きかったという結果になりました。
2.精神的・肉体的に活動的であることが持続された
これは、参加者を対象に行った研究関連QOL調査票の結果から導き出されました。精神的ストレスは、高血圧をもたらす大きな誘因になります。チョコを食べることで、精神的に安定し活力がアップすることは、高血圧の予防に効果がありますね。
3.体重・BMIの変化は見られなかった
(出典:チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究 中間報告)
これは、うれしい結果ですね!チョコを毎日食べると「太る」イメージがあります。
いくらチョコが体に良いと言われても、体重が増える心配を抱えながらでは、精神的に良くないですよね。これなら安心してチョコを食べて高血圧の予防ができそうです。
4.HDLコレステロール値が上昇した
HDLは善玉コレステロールです。これが上昇すると、LDLと呼ばれる悪玉コレステロール値が下がります。
悪玉コレステロールは血管の壁に付着し血管の内腔を細くするため、血液の流れが悪くなり高血圧を引き起こしますが、善玉コレステロールが増加すると、血中の余分なコレステロールを肝臓に運ぶため、結果的に高血圧の予防に役立ちます。
良いことずくめのチョコ効果。でもやはり気になるのは、効果的な食べ方ですよね。そしてもちろん、チョコレートなら何でもいいというわけではありません。
高血圧の予防には「カカオポリフェノール」がポイント
では、どんなチョコなら良いのでしょうか。重要になるのは、チョコの中に含まれる「カカオポリフェノール」です。
ポリフェノールには、血管が炎症を起こしている部分を修復することや、強い抗酸化作用があることが判っています。
動脈硬化のリスクも軽減!
さらに今回の研究では、血管内皮機能が低下している可能性がある参加者を対象に炎症指標(CRP)とストレス指標(8-OHdG)がどう変化するかも調査しています。
血管内皮機能の低下は、動脈硬化を引き起こす要因と考えられています。この血管内皮機能を評価する指標がCRPや8-OHdGとされています(低いほど良い)。
(出典:チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究 最終報告)
今回、高カカオポリフェノールのチョコを食べ続けたことで、血管内皮機能が低下している可能性がある参加者のCRPや8-OHdGの数値が低下したという結果になりました。
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの抗酸化作用と血管修復機能が、動脈硬化リスクを下げることが証明され、このことが、高カカオポリフェノールを含んだチョコの高血圧の予防への有用性を示唆しているのです。
高血圧の予防効果は、「チョコに含まれる高カカオポリフェノールにあり!」ということですね。
チョコレートで効果的に高血圧を予防するには
なんでも「良い」と聞くと、たくさん摂る方が良いと思ってしまうのが人情。けれど、やはり食べ過ぎや食べ方には注意が必要です。
高血圧予防のためのチョコの正しい食べ方
- 72%高カカオポリフェノールチョコレートを1日25g程度まで
- 一度に食べるよりも、血中濃度が一定になるように少量ずつ摂取する
- 原材料の品質管理がしっかりしているチョコを選ぶ
- アレルギーの薬やテオフィリン等の医薬品を使用している方は注意する
【テオフィリン】
テオフィリン (theophylline) は茶葉に含まれる苦味成分である。アルカロイドの一種で、キサンチン誘導体に分類される。また医薬品として、気管支喘息や慢性気管支炎などの呼吸器系疾患の治療に用いられる。
テオフィリンは強力な気管支拡張作用があり、喘息や気管支炎の治療薬として使われている。しかしその際に、副作用で痙攣を起こすことがあり問題になっている。
(出典:wikipedia)
他の健康食品でも同じですが、嗜好品の域を超えて、疾患の予防や治療効果を求める場合には、ある一定の摂取量を守る必要があります。また、チョコに含まれる他の物質もある一定量摂取することになります。
高カカオポリフェノールチョコには、カフェインやテオブロミンといった脳の代謝や呼吸・循環器系の働きに影響を及す物質が含まれます。
そのため、多量に食べてしまったり、就寝前にチョコを摂り過ぎると不眠になったり、胃腸に影響を与えてしまったりする可能性もあります。
【テオブロミン】
テオブロミン (theobromine) は、カカオに含まれるアルカロイドの一種。自然界ではほぼカカオのみに含まれ、チョコレートやココアの苦味成分である。キサンチンの一種・メチル化物で、テオフィリンやカフェインと似た構造を持つ。
チョコレートに含まれるテオブロミンの量は、人間にとっては害になるほどの量ではないが、犬のようにテオブロミンの代謝速度が遅い動物にとっては害になりうる。
小型犬で50g程度、中型犬で400g程度のチョコレートを摂取すると、犬はチョコレート中毒を起こし、消化不良、脱水症状、過度の興奮、心拍数の低下などの症状が表れる。ひどくなるとてんかん様の発作を起こして死に至ることもある。
(出典:wikipedia)
嗜好品のチョコレートが、高血圧の予防に役立つことが証明されたことはうれしいことです。けれど、何でもかんでも飛びつかず、チョコに含まれている他の成分や、今飲んでいる薬・他のサプリメントとの相性も調べてください。
健康を維持して、高血圧などの成人病を予防するために摂取する高カカオポリフェノールチョコ。だからこそ、長い目で見た時の、あなたの健康の不安材料を消してから、正しい方法で楽しくチョコを食べましょう!
まとめ
ダークチョコとも呼ばれる「高カカオポリフェノールチョコ」が、心身に与える影響をご説明してきました。
また、「高カカオポリフェノール」は、認知症予防にも役立つ可能性があると言われています。
上手にチョコを食べて、上手に高血圧や、その他の疾患予防に役立てたいものですね。美味しく、楽しく、健康増進に努めましょう!
でも、やっぱりカロリーが気になる…
ニキビや肌荒れも心配…
そんなあなたには、中性脂肪や悪玉コレステロールを下げるDHA ・EPAの摂取がオススメですよ。
▶︎高血圧・中性脂肪を下げる!DHAとEPAのサラサラ相乗効果の狙い方