「看護師を辞めたい…」「死にたい」と考えてしまう心理とは?
激務や人間関係がつらいなどの理由で「看護師の仕事を辞めたい…」と考えたことのあるは多数いらっしゃるかと思います。
なかには、「死にたい」とまで考えてしまうケースも少なくはないようです。
「看護師を辞めたい」というだけでなく、そこまで思い詰めてしまう背景とは一体どのようなものでしょうか。
「看護師を辞めたい」から、「死にたい」と考えてしまう理由は?
自分のことが嫌で嫌で仕方がない
もともと、自分のことが嫌いで、何をやっても自分がダメだと思ってしまう。
自分には良いところなんてひとつもない。
とにかく、自分の性格を何とか直したくて自分なりに頑張ってきたけれど、何一つ報われることがない。
それどころかどんどん状況が悪化し、自己否定が無限に繰り返されている状態です。
このような方は、「自分には生きている価値がない」「こんなに人に迷惑をかけている自分は死んだ方かいい」「いっそ、看護師なんか辞めたい」「世の中に必要とされていないなら死にたい、死んだ方がマシだ」などという極論に至りやすいケースです。
重大なアクシデントを起こしてしまった
仕事をするにあたり、逃れることができないのは「インシデント・アクシデント」です。
とくに看護師という職業は、患者の生命にかかわる重大なアクシデントを起こすリスクが高く、危険と隣り合わせにあるとも言えるでしょう。
そのような状況下で、「一歩間違えると、患者の生命に危険を及ぼしかねないミスをしてしまった」
あるいは、「自分のミスが原因で、患者に重大な影響を及ぼしてしまった」といった経験をすると罪悪感にさいなまれ、看護師としてだけではなく、人間として自分の「存在価値」までが失われた状態に陥りやすくなります。
そのため、「看護師を辞めたい…」という思いだけではなく、「死にたい…死んで迷惑をかけた患者や家族、あるいは遺族に償いをしたい」という考えから抜けることができなくなります。
過酷な勤務に耐えられない
看護師の仕事は人手不足が深刻な状況であり、まともに休暇を取れない職場も多く存在しています。
そのような環境の職場で体も心も酷使して働き続け、睡眠も十分に取れない状態が続くと、誰でも健全な精神を保つことは困難になります。
「こんなにつらいなら死にたい」と考えてしまうのも無理はありません。
このような場合は「死にたいと思わないようにする」という精神面のコントロールをする以前に、身体的な休息と睡眠をとることが優先です。
人間関係で強い悩みがある
- まるでパワハラのようないじめを受け続けている
- 周りのスタッフから陰口を言われているような気がする
- 話しかけても無視される
こうした状況は、決して、健全な精神を保てる状況ではありません。
周りの態度や発言を真に受けてしまい、「自分は仕事ができないやつなんだ…」「使えないやつなんだ…」という思いが、冒頭の「自分のことが嫌で嫌で仕方がない」という思考へとつながり、その結果「看護師辞めたい…」「死にたい…」という言葉だけが頭のなかをぐるぐると回り、完全に生きる気力をなくしてしまった状態になることがあります。
絶望感と諦めに支配された心
「看護師を辞めたい」という思いが「死にたい」という思いに移行するほどまで思い悩む人の心には「自分あるいは人生そのものに対する絶望感や諦め」が存在しています。
そして、「もう、死ぬしか方法はない」など、死を意識する人に見られる特徴は「自分には選択肢がひとつしかない」とかたくなに信じ込んでいる状態であるともいえるのかもしれません。
「死にたい」とまで思い詰める人は、一時的に、ほかの選択肢が見えていない、あるいは、それすらも見たくない心理に陥っています。
また、「死にたい」と思う人の心の根底は、本当に「死」を望んでいるのではなく、「死にたくなるほどのつらさや苦しみ、悲しみを、一人では拭い去ることが困難な状態」に陥って心が擦り切れてしまっているケースが多いのも事実です。
さいごに
心身共に疲弊して「死ぬこと」ばかりを考えているときに、どれだけ周りの人々から、生きることの大切さを説かれたところで、生きる気力も沸いてこないのは無理もないことかもしれません。
しかし、だからといって、「誰かに言ったところで解決するわけじゃないし…」と決めつけ、自分一人で抱え込むことは、「死にたい」という思いをますます助長させる危険性をはらんでいます。
それは必ずしも良い選択ではないことも、心のどこかにとどめておきましょう。
心の相談窓口はたくさんあります。
ぜひ一度、勇気を出して「死にたい…」という言葉を誰かに正直に伝えてもよいのではないでしょうか。
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看護師の悩み解決専門カウンセラー 坂口千絵