更年期で最も厄介なホットフラッシュ。その原因と改善方法まとめ

更年期のホットフラッシュ

更年期の女性のうち40~70%の方が、ホットフラッシュという症状に苦しんでいるといわれています。

これは、いわゆる「のぼせ」「ほてり」という状態です。

日中だけではなく、夜寝ている時にも大量の汗や熱感で、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

今回の記事では、この厄介なホットフラッシュが起こる原因と、効果的な改善方法について詳しくお伝えしていきます。

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あなたの症状は更年期のホットフラッシュですか?

更年期のほてり

更年期障害のひとつであるホットフラッシュにも、さまざまな症状があります。

  1. 気温や室温は暑くないのに、急にカーッと熱くなる
  2. 急に汗が吹き出してくる

この2つが主な症状ですが、熱くなるからだの部分や、汗の出る場所には個人差があります。

顔のほてりが一般的ですが、人によっては頭や全身、胸や背中、首の後ろ、手足などが熱くなります。

汗も、顔から滝のように汗が流れて止まらない、夜中に全身がぐっしょり濡れるほど汗をかくことなどがあります。

症状の持続時間は、1回につき30秒ほどから10分ほどで、平均すると3~4分といわれています。

しかし、人によっては30分以上も続く場合があります。発症の頻度も、週に数回から1日に何度も起こるなど、一定していません。

そして、一番やっかいなことは、ホットフラッシュがいつ起こって、いつ終わるのか、まったく予測できないということです。

更年期は、一般的に閉経の前後10年間くらいの期間を指していますが、もっと早くからホットフラッシュが起こる人や、いったんおさまって何年か後に再発する人もいます。

以下のシートを参考に、現在のあなたの更年期指数をチェックしてみてください。

▼  ▼  ▼

更年期チェックシート
更年期点数
出典:更年期障害の対策|からだの症状

項目にチェックを入れるだけで自動的に点数を計算してくれる便利なサイトもあります。
▶︎更年期障害のチェック|エンジョイ エイジング

ホットフラッシュと同じような「のぼせ」や「ほてり」の症状は、バセドウ病や高血圧、心臓病などでも起こることがあります。気になる場合は、一度病院で相談することをおすすめします。

更年期のホットフラッシュの原因は?

では、更年期のホットフラッシュは、どうして起こるのでしょう。

ホルモンバランスの変化
出典:HISAMITU エンジョイエイジング「更年期障害の原因」

更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に減少します。

さまざまなからだの調節をしていた女性ホルモンが少なくなることで、からだの機能がきちんと働かなくなってきます。

そうすると、減少したエストロゲンの分泌を増やそうとして、脳の視床下部が性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を分泌します。この放出ホルモンが、脳下垂体から性腺刺激ホルモン(FSH、LH)を分泌させます。

更年期の原因
出典:くすりと健康の情報局「更年期障害の原因」

性腺刺激ホルモンの作用で、卵巣はエストロゲンを分泌するようになります。しかし、更年期ではすでに卵巣の機能が低下しているために、性腺刺激ホルモンがいくら分泌されてもエストロゲンは分泌しません。

脳内での過剰のホルモン分泌は、自律神経のバランスを崩して血液循環などの働きがうまくいかなくなります。

そして血管の正常な機能がコントロールできなくなり、ホットフラッシュが引き起こされます。


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更年期のホットフラッシュの改善に有効な治療方法は?

女医

今はおつらいと思いますが、ご安心ください。

日常生活に支障をきたすホットフラッシュは、病院で健康保険を使ってきちんと治療ができます。

ホットフラッシュには、次のような3つの治療方法があります。

  1. ホルモン補充療法(HRT)
  2. 漢方薬による治療
  3. 自律神経調整薬

それぞれの治療法について、詳しくみていきましょう。

1.ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法

卵巣から分泌されなくなったエストロゲン(卵胞ホルモン)を、薬で補充するもっとも効果的な治療です。健康保険が適用されるので、自己負担も少なくて済みます。

ホルモン補充療法には、①飲み薬、②貼り薬・塗り薬の2つの方法があります。

この治療では、ホットフラッシュ以外にも、動悸や知覚異常の改善、閉経後骨粗しょう症の予防と改善、萎縮性膣炎や性交痛なども改善されます。

その他に、脂質異常の改善、不眠症の改善、コラーゲンを増やして肌のハリや潤いも改善します。

以下は、「HRTを始めてから、実際に改善したと思う症状を教えてください」という問いに対する回答です(スマホの場合は拡大してご覧ください)。

HRTの効果
出典:HISAMITU エンジョイエイジング「みんなの更年期事情」

主な副作用としては、不正出血、乳房の張りや痛み、おりもの、下腹部の張り、吐き気などがあります。これらの副作用は、薬の量を調節することで改善できます。

また、生理のような出血がみられる場合がありますが、出血させない方法もあるので、医師に相談してみましょう。

このホルモン補充療法には、乳がんのリスクが高まると認識されていた時期があります。

しかし、現在では、国際閉経学会などで、乳がんになりやすい要因は、ホルモン補充療法よりも他の要因によるリスクの方が高いと見直されています。

その要因とは、乳腺の病気になったことがある、乳がんになった家族がいる、35歳以上での初産、出産経験がないなどです。

厚生労働省の調査では、むしろホルモン補充療法を経験したことのない女性の方が、ホルモン補充療法の経験者に比べて乳がんになるリスクは2倍以上高いというデータが出されています。

HRT用の薬
出典:更年期障害になったら知っておきたい4つの有効なお薬

エストロゲンを単独で補充し続けた場合に、子宮がんになるリスクが高くなることがわかっています。

そのため、子宮のある女性に対するホルモン補充療法では、通常、エストロゲン(卵胞ホルモン)と一緒にプロゲステロン(黄体ホルモン)も補充することで子宮がんのリスクを軽減しています。子宮がない場合には、プロゲステロンは必要ありません。

参考1:HISAMITU エンジョイエイジング「ホルモン補充療法(HRT)の気になる副作用」
参考2:横浜婦人科ポートサイド女性総合クリニック ビバリータ「更年期のホルモン補充療法」

2.漢方薬による治療

更年期のホットフラッシュ以外の症状も強い場合や、ホルモン補充療法ができない場合には、漢方薬での治療も積極的に取り入れられています。

健康保険で処方を受けることができるので、病院で相談しましょう。

3.自律神経調整薬

自律神経調整薬

交感神経と副交感神経の働きを整えて、ホットフラッシュを改善します。症状が比較的軽い場合や、ホルモン療法が行えない場合などに使われます。

自律神経調整薬
出典:自律神経失調症に使われる「自律神経調整薬」

更年期のホットフラッシュが起きてしまった時の改善方法

ホットフラッシュが起きたら冷やす

ホットフラッシュが起きてしまったら、熱い部分や発汗しているところを積極的に冷やすことが一番です。

冷却にはウェットティッシュを当てるか、汗の拭きとりシートなどを使います。乾いたタオルで汗を拭いてしまうと、熱い部分の熱を下げにくくなります。汗を拭く時には、必ず濡らしたタオルを使いましょう。

上着や衣類を脱いで、体温を下げるように調節しましょう。扇子やうちわで仰ぐのも効果があります。

自分でできる改善と予防法としては、次のような方法が効果的だといわれています。

  1. 体温調節をしやすい着脱可能な服装
  2. 扇子などをいつも持って歩く
  3. ウェットティッシュを常備する
  4. 適度な運動でストレスを発散する
  5. 刺激物をあまり食べないようにする
  6. 大豆イソフラボンを含む食品を摂る
  7. 禁煙する

参考:更年期障害のホットフラッシュ|原因と7つの対処法

更年期対策としてとくに積極的に摂りたい成分は大豆イソフラボンを含めて7つあります。

残り6つは以下の記事にまとめてあります。ぜひあわせてお読みください。

さいごに

更年期の女性

いつ起こるのか、いつおさまるのか、まったく予測できない更年期のホットフラッシュに悩む女性は、潜在的にはかなりの数に上ると思われます。

そして、もしかするとあなたも「更年期はこういうものだから仕方ない」と諦めてはいませんか?

女性ホルモン「エストロゲン」が減ってくることで、ホットフラッシュが起こります。ですので、不足しているエストロゲンを補充することが、最も有効な改善方法です。

あるいは、ホルモン補充療法に対する知識不足からくる不安で、病院へ行くのをためらっておられるのかもしれませんね。

ですが、婦人科や女性外来は、更年期のホットフラッシュに悩む方の心強い味方です。

症状があまりにつらい場合には過度な我慢はなさらず、まずは病院を受診して、しっかりと相談してみてくださいね。