後悔はもっと後でいい。現状を好転させる次善の策は一体何だ?

夕日に映える赤髪の女性

普段はあまりスポーツ観戦をしない僕でも、オリンピックやワールドカップなどの国際大会で日の丸を背負った選手を応援することには人一倍熱くなってしまいます。オリンピックで日本人が日本の選手を応援するのは、運動会で走るわが子を応援するのと同じ心理。日本人として当たり前のことかなと思います。

女子フィギュアで浅田真央選手が魅せてくれた2日間のドラマにとてつもないほど感動しました。競技の経緯に関してはすでにご存じだと思いますし、ネット上に専門のページがたくさんあると思うので正確かつ詳細な情報はそちらで確認してください。ここでは、僕がそれについて感じたことを中心に書きます。

初日、失意と後悔の底で見た地獄

後悔する女性

19歳で獲ったバンクーバー五輪の銀メダルから4年、今回のソチ五輪で引退を決めている浅田選手はきっと並々ならぬ覚悟で今回の五輪に臨んだことでしょう。

また「スケート人生有終の美」という個人の思いとは別に、日本中の期待を彼女がその華奢な肩に背負ってこの4年間を過ごしてきたことは容易に想像できます。それもこれも、すべてはこの「4分間」のために。4年間、いやもっと前から競技に費やしてきた時間はすべてこの240秒のためだったのです。

その極限の緊張感を、出場選手30人中30番目という滑走順のため他の誰よりも長く味わわなくてはならない。

直前、29番目の滑走者は地元ロシアのソトニコワ選手。ここで彼女が首位のキム・ヨナ選手に続く高得点を出し、大歓声に沸く会場が異常なボルテージに包まれた中で登場。浅田選手を長時間にわたる極限の緊張と完全アウェーの会場の雰囲気が包みます。

演技冒頭のトリプルアクセルで転倒後、後半では演技に必要な要素を抜かすという普段の浅田選手では考えられないようなミスをしてしまい、自己ベストを20点以上も下回る55.51点で結果は16位。8位の鈴木明子選手、15位の村上佳菜子選手に続き日本勢ではまさかの最下位でした。

終了後のインタビューで「自分でもまだ何も分からない」と力なく答え、起きたことに整理がつかない様子でした。カメラに映る彼女は放心状態にも見えました。4年間続けてきた努力の結果がこれだとは受け入れられない。それは無理もないことだと思いました。

「まさかウソでしょ?」とでも言いたげな無神経な記者の質問に対しても「明日のフリーでは自分の演技をしたいです」とカメラの前で何とか前を向いた姿が哀しいほど健気でした。ライブで観戦していた僕も、日本中の皆さんと同じように朝4時に重い気分になりました。

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翌日、後悔を断ち果敢な挑戦の末に掴んだもの

夕日を背に深呼吸する女性

「まだ立ち直れてないんじゃないか?」という心配をよそに浅田選手は翌日のフリーで賭けの大勝負に出ます。彼女の代名詞ともいえるトリプルアクセル(3回転半)を含む全6種類の3回転ジャンプを盛り込んだ「8トリプル」という女子では前人未到のプログラムで勝負に出ました。

そして彼女は全てのジャンプをを成功させ、自己ベストも更新しフリーでは金のソトニコワ選手、銀のキム・ヨナ選手に次ぐ3位で、驚異の10人抜きで6位入賞を果たしたのでした。「なんてタフな選手なんだ!!」と僕は心底しびれました。

今回、浅田選手が魅せた「8トリプル」は女子では史上初で、ギネス記録に認定される可能性もあるそうです。

今回の五輪は浅田選手にとっては不本意な結果だったでしょう。でも観戦していた僕にとっては初日のショート・翌日のフリーともに無難にまとめて金メダルか銀メダルを獲る強い試合よりも100倍インパクトのある試合でした。「記録より記憶に残る」という言葉がありますが、今回の浅田選手の2日間の試合はまさにそれでした。

2018年の平昌冬季五輪に向けてさらに4年間挑戦することを想像できるかと問われた浅田選手は「できません」と答えました。競技を通じて彼女は最後に大きな教えを残してくれました。

浅田選手に学んだ最大の教訓

考える子供

もしも「とり返しのつかない失敗をしてしまった」と彼女が落ち込んだままの気持ちを翌日に引きずっていたら8トリプルの成功も6位入賞も絶対になかったはずです。浅田選手は後悔を引きずるのではなく、絶望的なこの状況で今からできるベストに賭けて集中した。

「済んだことを後悔して落ち込むな」といいますが、口でいうほど簡単じゃないのはよく分かっています。だけど、せめてもっと後でもいいんじゃないか?全部終わってからいくらでもクヨクヨすればいい。僕もあなたも、まだまだ道半ばのはずです。すべての試合が終了したわけじゃないでしょう?

「今からできるベストをやる」この意識に切り替えると、後で振り返ったときに後悔することはグッと減らせます。できることが残っているうちは絶望する必要なんてない。それを教えてくれた浅田選手、ありがとうございました。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。

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